職場を出て家路につく時、誰もが「あー、疲れた!」と感じるものですが、体力的な疲労より精神が摩耗した感覚を強くおぼえたり、自己嫌悪に陥ったり、激しい頭痛や吐き気を感じたりするときは、ネガティブな思考にとらわれているかもしれません。ぐっすり寝れば回復する程度の疲れではない可能性があります。また、そういう状況では、恋もうまくいかなくなってしまうでしょう。心が疲弊しているために、好きな人に対して正しい判断が下せなくなるのです。
今どきの女性は、職場で責任の重い業務を任されることも多いようですが、プレッシャーやストレスが募る時ほど、自分の精神状態を正しく把握することが大事です。
職場でつねに自信満々で、完璧な働きを示せる人なんていません。部長や社長といった肩書を持つ人ですら、不安にとらわれるものです。そして、社会人として働くようになると、少なくとも1日の3分の1は職場で過ごすようになり、仕事がうまく回っていないことは重大なマイナスポイントになります。「私は恋に生きるから、仕事は“そこそこ”でいい」なんて思っていても、労働が日常の基盤の多くを作っているのは間違いなく、本人の意志に反して大きな影響をもたらす場合があるのです。
ケアレスミスや、ちょっとした人間関係のつまずきが不安を生み、過剰な疲れとなって覆いかぶさってくるでしょう。急に自分が価値のない人間に思えて、自信をなくすことで思考がネガティブになり、記憶の彼方に忘れていた過去の失敗を思い出す……という悪循環が生まれるのです。
また、仕事で感じる「うまくいかない感覚」は、好きな人や彼氏に対する表情、態度を硬化させ、恋愛への依存あるいは拒否感にもつながります。消極的、悲観的な考えが多くなり、笑顔も減るはずです。普段から気持ちの切り替えがスムーズにいかない人ほど、仕事面での精神的疲労が恋に影響してしまうでしょう。
好きな人や彼氏が違う職場、業界で働いている場合、仕事面での精神的疲労がある程度解消されるまでは、あまり合わないほうが良いでしょう。顔を合わせても、本来の魅力を示すことができず、良くないイメージを与えるかもしれません。あるいは、ネガティブ発言をしたり、八つ当たりをしたりして、彼との関係にヒビが入る可能性があります。
彼氏に対して、普段から自分の職場の話をしているとしても、仕事によって心が疲れている時は、一方的な愚痴が多くなりがち。同じ環境にいない彼氏からすれば、よくわからない愚痴を延々聞かされるのはつらいでしょう。「うまくいかない感覚」が少しでも薄れるまでは、長時間一緒にいるのは避けたほうが良さそうです。
一方、好きな人や彼氏が同じ職場にいる場合、一方的に愚痴や弱音を吐くのは避けたほうがいいものの、「今、自分が何にストレスを感じているのか」を素直に伝えて良いと思います。日常を同じ環境で過ごすだけに、どうすれば自分の心の不調が回復するのか、意見を求めてみましょう。
ただし、片思い状態で、好きな人とそれほど親しくないのなら、やっぱり精神的疲労が回復するまでは、アプローチをしたりするのは「お休み」したほうが良いといえます。効果的な愛情表現ができず、中途半端にインパクトを与えて、好きな人から「情緒不安定な人」だとか、「気になる存在だけど、恋愛対象外」などと思われるかもしれません。
筆者も経験がありますが、身も心も疲弊しきった状態になると、「頭が擦り切れている感じ」がしたり、「なんだかよくわかんないけど、とにかく絶望」したりします。冷静に客観視すれば、それほど大打撃を受けているわけでもないのに、過度のプレッシャーやストレス、溜まりに溜まった疲れが、いつの間にか心を追い詰めているんですね。
そういうときは、恋をいったんお休みして、ひたすら心身を休ませるとか、疲労の原因になっている問題解決に意識を集中させるなどすると良いでしょう。気持ちが恋愛に向いていない時は、無理に恋をしようと思わなくても良いのです。また、仕事での不調を恋愛に依存することでごまかすのも、やめたほうが良いかもしれません。
Written by 岡崎咲