あなたの周りにもいませんか?
「それ、過保護すぎるんじゃない?」と心の中で思う、ママ友やご近所さん。
ただ、愛する我が子だからこそ、心配な気持ちが生まれるのも理解できますし、過保護とそうじゃない子育ての境目をあまり知らない人がいるのも事実かもしれません。
そこで今回は、心理カウンセラーのわたくし千桜ミモザが、過保護な子育てから生まれる弊害や、過保護な人の特徴について解説をしていきます。
過保護な育児は、ぱっと見は子どもへの深い愛情の表れのように思えますが、実際には子どもの自立心や問題解決能力の発達を妨げる可能性があります。
要するに、自分で考えて行動するチャンスを奪ってしまうことになってしまうのです。
実際にどういった弊害があるのか、大きく2つご紹介していきましょう。
過保護に育てられた子どもは、自分に肯定感を得ることが苦手になったり、問題行動を起こす可能性が出てくるようです。
親が常にあれこれと介入することによって、子どもが自分で決断する機会を失ってしまうので、子どもは自分の力で物事を決める能力を育てることができなくなるのです。
子どもの将来の自立のためには、親がすべての決定を下したり子どもの代わりに問題を解決せずに、子どもが自分の力を信じることを学ばせる育て方がおすすめです。
過保護に育てられた子どもは、社会に出た時に他人を振り回す傾向があり、見た目とはウラハラに精神的に打たれ弱いとされます。
さらに、自己愛が強くなって、わがままで他者を見下すようになることも少なくありません。
子どもが将来、社会生活を自分ひとりで過ごすことになった場合に、協調性や共感能力が足りないことにぶつかって自分を認めることができない現象に繋がってしまいます。
過保護な親は、子どもが自分でできることにも手を出してしまうことがよくあります。
こうした行動は、子どもが自分で問題を解決する力を育むチャンスを奪うだけではなく、「自分のために誰かがやるのは当たり前」という思考の癖を作ってしまいます。
子どもの着る服を選んだり、本来子どもが自分ですべき身の回りのことに手出しをすることで、自己満足に陥る親が多く見えます。
過保護な親は、子どもの欲しいものをすべて与えてしまうことが多く見受けられます。
欲しがる服を与える、出かけてはいけないのに出かけさせてしまう、メイクをすることを許すなどといった、子どもの要求に対してすんなり受け入れてしまう傾向があります。
こうしたことをしてしまうと、子供が我慢することを覚えなくなってしまいますし、いろいろな場面で自分をコントロールする力を学ぶ機会がなくなってしまいます。
「わがままは通らない」ことをわが子に教えられていないケースが過保護な親によく見られます。
親が子どもの安全を心配するのは自然なことですよね。
学校の帰りが少し遅いと、何かあったんじゃないか? ケガしたりしてないか? など、ソワソワしてしまった親も少なくないはず。
ただこれとは違い、「それは危ないからダメ」「帰りが遅くなるからあなたは行ってはダメ」というように、親の判断で子どもの選択を消去してしまう傾向があるのが過保護な親です。
こうした過保護な親は、心配しすぎて子どもの挑戦や新しい経験を制限してしまうことがあります。
わが子だからこそ、親である自分が叶えることができなかった夢を、代わりに叶えてくれたらいいな…と思うかもしれません。
単純にそう思うだけなら、なんら子どもに影響を与えることはありません。
しかし、過保護な親は、「歌手になりなさい」「医者になりなさい」「あの学校を受験しなさい」というように、自分の叶えられなかった夢や目標を子どもに押し付けることがあるのです。
子ども自身はさほど興味がなくても、親にごり押しされたら断ることも出来ずに受け入れる子どもも中にはいるでしょう。
過保護な親は、子供の生活のあらゆる面を管理しようとすることがあります。
学校から帰ってきたら、何時まで宿題、何時からは別の勉強、塾や水泳といった習いごとなど、あらゆるスケジュールを親が組んでしまいます。
親が子どもを管理しすぎると、自分で状況を判断して決めるという自主性を育てることができなくなってしまうのです。
子供の自立を促すためには、親は適切な距離感を保ち、子供が自分で考え行動する機会を提供する必要があります。
子供が自分で問題に直面し、それを乗り越える経験を積むことが自信と自立心を育てるポイントです。
親は、子供が自分の力で「どうしたらいいのか」を学ぶことを応援して、失敗を恐れずに挑戦する機会を与えるようにするといいでしょう。
Written by 千桜ミモザ