現実の恋愛って、映画やドラマのようにハッピーエンドとは限りません。
ひどい別れ方を経験することもあるし、厳しすぎるバッドエンドを迎えてしまうこともあります。
失恋で落ち込んでしまった時は、音楽を聴いて、思いっきり泣いてみてはいかがでしょうか?
今回は、あなたの気持ちを代弁してくれる失恋ソングをご紹介します。
稀代のシンガー・宇多田ヒカルの2つの名曲
まずご紹介するのは、今年の4月に音楽活動を再始動させた宇多田ヒカルです。
15歳で衝撃的なデビューを飾った彼女も、今では1児の母。
これまでに数多くの名曲を生み出していますが、失恋ソングとして最も有名なのが、「First Love」でしょう。
サードシングルとして1999年にリリースされた「First Love」ですが、当時の彼女は16才。
ティーンエイジャー真っ只中の女の子が書いたとは思えない大人びた歌詞を、あらためて見ていきましょう。
最後のキスはタバコの flavorがした ニガくてせつない香り
これは冒頭の有名なフレーズ。日常のふとした瞬間に感じた香りで、昔の恋人を思い出してしまうことって、よくありますよね?
香りと記憶は密接に結びついているので、恋人が愛用していた香水やタバコの香りなどは、なかなか忘れられないもの。
<もうここにはいない彼>への想いを、冒頭のワンフレーズで印象深く表現してしまうのだから、やはり彼女は天才です。
You are always gonna be my love いつか誰かとまた恋に落ちても I’ll remember to love you taught me how
タイトルの「First Love」とは、直訳すれば<初恋>。
初恋の彼はいつまでも自分にとって特別な存在で、それはこの先別の誰かを好きになっても、決して変わらない。
そんなピュアなメッセージを切なく歌い上げているのが「First Love」の魅力でしょう。
さて、宇多田ヒカルの失恋ソングを取り上げる上で、忘れてはならない曲がもう1曲あります。
2004年にリリースされたシングル「誰かの願いが叶うころ」を聴いてみましょう。
この曲は、彼女の元夫・紀里谷和明監督が手掛けた映画「CASSHERN」のテーマソングで、頭では分かっていても、普段口にはできない言葉が歌詞に登場します。
誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ みんなの願いは同時には叶わない
このサビのフレーズを聴いた瞬間、思わずドキッとした人、絶対いるはず。
恋が成就した人の裏では、恋に破れて泣き崩れている人がいる。
どんなに努力を重ねても、掴み取れないものがある。
目を背けたくなるほど厳しい現実は、恋愛に限らず様々な場面でありますよね。
彼女はそのことを、オブラートに包むことなく歌詞にしています。
失恋ソングとしてだけではなく、人それぞれ違った受け止め方ができるのではないでしょうか。
誰もが共感できる深みのある歌詞と、ピアノやストリングスの落ち着いたサウンドが溶け合う、切なくも美しいバラードナンバーです。
ラブソングのカリスマが綴るリアルな歌詞
続いては、共感性の高いラブソングで人気を集める3人の女性アーティストに焦点を当てていきます。
まずは、西野カナを代表するこのラブバラードをチェック!
どうして自分に正直な恋じゃダメなの? なぜ心は 想えば想うほど離れてくの?
西野カナの15枚目のシングルとなった「たとえ どんなに...」は、自分の気持ちに正直な女の子をテーマにしています。
彼の優しさに甘えすぎてしまったり、素直になれなかったり、ワガママを口にしてしまったり・・・。
<あの時もっとこうしていれば、違った未来が待っていたのではないか>
そんなことを思い浮かべる瞬間は、誰にでもあるはず。
彼と過ごした日々を思い返しながら、後悔の念を募らせる様子を、歌詞の中でリアルに描いています。
君からもらった幸せはずっと 心の中で輝くの
戻れない過去に思いを馳せながらも、どうにか前を向いていこうとする気持ちが、サビのこのフレーズから感じ取れますね。
彼女の伸びやかな歌声と美しいメロディラインも心地よく響きます。
西野カナと同じく、<ラブソングの女王>として人気の高い、加藤ミリヤ。
デビュー当時は、<女子高生のカリスマ>とも称されていました。
「Aitai」は、2009年にリリースされたアルバム「Ring」の収録曲で、シングル化はされていないものの、彼女の代名詞的ナンバーとして有名です。
一番に愛さなくていいから お願い そばにいさせて
少しでも問いつめたら あなたはもう会ってくれなくなるでしょう?
mixiで行われた悩み相談から生まれたという「Aitai」は、実らない恋と気づきながら、一途に彼を想い続けてしまう女の子を描いています。
彼にとって都合のいい存在でも、一緒にいられればそれでいい。だけど、心のどこかでは、まだ淡い期待を持っている。そんな経験をしたことがある人にとっては、たまらない曲だと思います。
<新世代の歌姫>として注目を集めているMACOは、リアリティのある歌詞が若い世代から絶大な支持を受けています。
リスナーが思わず感情移入してしまうラブソングが多い点は、西野カナや加藤ミリヤと似ているかもしれません。
いますぐ目をつぶってしまいたい 光を遮ったこの世界で 夢のなかでいいから あなたに会いたいよ
彼との別れを受け入れられない気持ちを歌った「夢のなか」は
“飲みかけの苦いコーヒー”や“脱ぎ捨てた上着”
など身近なアイテムを歌詞に取り入れているので、自然と情景が浮かんできてしまうはず。
彼と過ごした日々、思い出深い出来事、部屋に残る彼の残像などを、印象深く表現しています。
涙も後悔もすべて 夢のなかへ置いてゆくよ そう決めたから
<彼がいない世界を受け入れたい、いや受け入れなきゃ>という気持ちと<夢の中で構わないから彼に会いたい>という気持ち。
2つの感情の狭間で揺れ動いている姿が伝わってきますね。
ボーカル&ピアノのシンプルな編成で、歌詞の世界をストレートに響かせています。
アルバム「23 plus」に収録されているので、ぜひフルサイズで聴いてみてください。