仕事で、プライベートで……。さまざまなストレスにさらされている現代人にとって、「スルースキル」は必須スキルだと言えるでしょう。
SNS上でもよく話題にのぼるスルースキルですが、これって単に「相手の言うことを気にしない」ってだけでOKなのでしょうか?
実は、それではちょっぴり足りないんです。
本当に人生に役立つスルースキルとはどんなものか、どんなシーンで活用できるのかについてお伝えします。
1. 「スルースキル=気にしないようにする」だけでは弱い?
スルースキルという言葉、よく聞かれますよね。
SNSやリアル社会で飛び交う「負」の情報や言葉をまともに受け取らずに、うまく受け流す・無視するといった意味で使われます。
上司からの「俺たちが若い頃はなぁ……」という嫌味や、家族からの「いつ結婚するつもりなの?」というおせっかい、友達からの「今の彼氏、お金持ってるし愛されてるし~」というマウンティング。
こうした外部からの情報に、いちいち心を乱されたくはないですよね。
スルースキルを「言われたことを気にしないこと」だと考えている人は多いですが、実はそれは、単に我慢しているだけのケースが多いんです。
「気にしない」と自分の中で言い聞かせるだけで、実際にはイライラ……。それでは、本当の意味でのスルースキルとは呼べません。
2. 本当のスルースキルとは?
自分にとってストレスとなる、負の情報や言葉。こういったものを自分の中にためこまず、うまく受け流す力がスルースキルです。
単に「気にしないようにする、我慢する」のとは、似ているようで違うものなんですね。
とはいえ嫌なことを言われても受け流すのって、そう簡単ではありません。
そこで、スルースキルを身につけるための3つのステップを紹介します。
3. 本当のスルースキルを会得するための3ステップ
ストレスを感じる情報から遠ざかる
同じものを見てもまったく同じように感じる人がいないように、一つの物事に対してどう感じるかは、人によって異なります。
悲しいニュースや大きな物音、怒っている人の姿などに対して敏感で、目にする・耳にするだけで大きなストレスを感じる人もいるのです。
そういった共感性が高く、感受性の豊かな人は、自分にとって大きなストレスとなる情報と距離を取ることが大切です。
もはや、スルースキルを身につける以前の話ですね。
たとえば悲しいニュースを見るのがつらいなら、思い切ってテレビを消す、ニュースアプリの通知を切るなどの対処を。
SNSを使って嫌な気持ちになるのなら、見なければいいんです。
現代人は常にインターネットで誰かしらとつながっているので、疲れることも多いです。
そんなときはデジタルデトックスなど、一時的にインプットを遮断しましょう。
ほとんどの場合、それで困ることはないはず。むしろ負の情報が入ってこなくなるので、毎日とても機嫌よく過ごせるようになるでしょう。
何でもかんでも「自分ごと化」しない
情報をうまくスルーできないのは共感性の高い人、つまり何事も「自分ごと化」してしまう人に多い傾向があります。
たとえば上司に厳しく注意を受けた際、「わたしの出来が悪いからだ」と考えてしまいがちなのです。
ですが実際は、単に上司の機嫌が悪いだけだった、という例は少なくありません。
負の感情を向けられたときに「自分に原因があるんだ」と考えるのをやめ、代わりに「なにか嫌なことでもあったのかな?」と考えてみましょう。
そしてそっと、その場から遠ざかるのです。物事を俯瞰(ふかん)して見る癖をつけ、広い視野を持つことが大事です。
するとよい意味で「わたしには関係のないことだ」と思えるようになります。
これこそが、スルースキルの会得につながります。
善意だけを受け取る
「自分ごと化しないと、自分にとって必要な情報も入ってこなくなるのでは?」もしかしたら、そう不安に思われるかもしれません。
確かに、一見嫌味にしか思えない上司のアドバイスも「よかれと思って」出た言葉かもしれません。
自分にとって役立つ情報が含まれている可能性もあります。
ここでは、ステップ2で紹介した状況を俯瞰して見る癖が役立ちます。
どんな嫌な相手や理不尽に思える言葉にも、「善意の気持ち」があるはずです。
それを見抜き、その善意(たとえ大きなお世話であっても)だけを受け取るようにすればよいのです。
善意を受け取ったら、あとは素直に感謝の言葉を伝えればOK。
あなたは余計なストレスを抱えずに済みますし、相手もお礼を言われて嫌な気持ちはしないでしょう。
スルースキルを発揮するには、トラブルやストレスが生まれにくい環境を作ることも大切なのです。
4. スルースキルがあれば、生きるのが楽になる
さまざまな情報があふれる現代社会。いいことも、よくないこともたくさん耳に入ってきます。
そんな情報社会で生きるわたし達にとって、自分に必要な情報を取捨選択し、必要のないものは受け流すスルースキルは欠かせない能力です。
周囲の目を気にしてしまう、人の意見に左右されやすくて疲れるといった自分に悩んでいるあなたは、ぜひスルースキルを身につけることをおすすめします。
よい意味で鈍感になれば、今までよりもぐっと生きやすくなるはず。
まずはストレスの原因となる情報をシャットアウトすることから、始めてみましょう。