たいていの人は、なにがしかの受験をしたことがあるでしょうから、「人は覚えたいことは忘れてしまう」という、残念な事実を知っていると思います。
たいていの人は、なにがしかの失恋をしたことがあるでしょうから、「人は忘れたいことは忘れられない」という、残念な事実を知っていると思います。
あの彼のこと、忘れたいのに忘れられない……嗚呼。
おなじような法則に「恋をしなきゃ……と思い込むと恋はできない」というものがあります。受験勉強とおなじです。
覚えなきゃ! と思えば、覚えられない。
恋に臆病になっている女子は「恋に臆病にならないようにしなくっちゃ」と思っていると、いつまでも臆病なままで、残念な人生を歩むことになったり……。
ということは、恋なんかしないと思って、すべてを考えることを放棄したふりをしておくといいと言えます。
あるいは「べつに臆病なままでいいじゃん、あたし」と思っておくと、ある日突然、大胆な恋に落ちてしまうこともあります。
たとえば、不倫がそうです。たいていの不倫経験者は「よもやこの私が不倫なんてすると思ってもみなかった」と言います。不倫しているにもかかわらずです。
不倫に限らず、恋なんて、そんなものです。
「不倫なんてしない」と「思う」のは、理性(意識)がそう思っているわけです。でも「思ってもみなかったことをしている」のは、無意識のうちにカラダが反応してそうなっていることです。
つまり「そのとき」が来れば、人は自然にカラダが動いて、恋に落ちちゃうということであり、「そのとき」が来るまで、あまり悩まないほうがいいものです。
もっと言えば、誰だって恋に臆病なはずです。恋に積極的に見える女子だって、よくよく話を聞くと、いろんな不安を抱えています。まぁ、不安を抱えたまま清水ジャンプできるかどうか、というところがちがうだけで、みんな臆病な性格は持っています。
だから、恋に臆病な女子は、その臆病さだけをあげつらって、自分のことを責めなくてもいいのです。誰もが持っている臆病さを、あなただけが責めても、自分がかわいそうでしょう?
それより、「いつかどうにかなる」と思って、忘れたふりをすればいいのです。
昔の人は、そういう思いを込めて「果報は寝て待て」と言いました。寝ているとき意識は働いていません。無意識が働いています。
無意識に十分に働いてもらおうと思えば、寝るか、寝ているふりをしていればOKと、まぁこういうことではないかと思います。