13時間の命がけの戦い…‼ 出産時に知っておきたいこと5選

出産が近づくとさまざまな不安が募りますよね。初産の場合は、特に不安を強く感じるものです。

そこで今回は、出産時に知っておきたいことを5つに分けて解説します。

分娩の基本についても合わせて解説しますので、これからお産を迎える方や家族の方はぜひ参考にしてください。

出産時に知っておきたいこと5選

出産時間は一般的に13時間程度

出産時間は一般的に13時間程度

陣痛が起きて赤ちゃんが出てくるまでは、一般的に11〜17時間程度です。特に初産は時間がかかるとされています。

一方、すでにお産を経験している人であれば、約半分程度の出産時間とされています。

「少子高齢化」といわれている日本ですが、産婦人科医も減少中です。一部噂では、「時間のかかる初産は後回しにされる」なんてこともいわれますが、実際にはありません。

お産は、母子ともに危険と隣り合わせの行為です。陣痛が起きて出産が近づいていれば、助産師や産婦人科医が適切に対処してくれます。

ただ、特に初産の場合は長期戦になることを理解しておきましょう。

出血が起こる「おしるし」

赤ちゃんが出てくる際の1つの合図とされているのが、「おしるし」です。

「おしるし」とは、出産が近づくと子宮口付近の卵膜(赤ちゃんの入っている袋)が剥がれて出血することです。

「おしるし」があれば、近いうちに陣痛が起こるとされています。ただ、中には1週間程度陣痛がこないケースも……。

そのため、「出血があったから」といって今すぐ病院へ駆けつける必要はありません。

また、出血量は月経の際に出る程度であれば正常の範囲です。血を見ると不安な気持ちになりますが、落ち着いて対処してください。

あまりに出血量が多かったり、強い痛みを感じたりしたら病院へいきましょう。

羊水が出てくる「破水」

「破水」が起こると、もうすぐ出産です。

「破水」とは、卵膜(赤ちゃんの入っている袋)が破れて、中の羊水が出てくることです。破水が起こると、24時間以内に陣痛が起こるとされています。

羊水は、お腹の中で赤ちゃんを守っています。そのため、破水してしまうと感染症へかかるリスクが高くなりますので、ばい菌の入りやすい入浴はやめましょう。

破水自体に痛みはありませんが、すぐに病院へ駆けつけてください。

ただ、注意すべきなのは「尿」との判別です。羊水であれば、「無臭」か「やや生臭い」香りです。「アンモニア臭」を感じると羊水ではなく尿ですので、自宅で様子をみてください。

子宮が収縮して起こる「陣痛」

「陣痛」がくると、いよいよ赤ちゃんがお腹の中から出てきます。

「陣痛」とは、子宮が収縮したり、産道が開大したりして起こる下腹部の痛み。痛みは定期的に起こり、強さも徐々に増していきます。

陣痛が「10分間隔」または、「1時間に6回以上」となった時点で「陣痛開始」です。

陣痛の痛みは、「鼻からスイカ」や「ハンマーで殴られ腰が砕ける」などと言われます。初産の時は特に不安が付きまといますが、自然分娩を選んだ場合は避けて通れない道です。

分娩途中で「緊急帝王切開」になることもある

分娩の最中には、緊急で帝王切開へ変更する場合もあることを理解しておきましょう。

分娩は大きく分けると「帝王切開分娩」と「経膣分娩」です。赤ちゃんが逆子である場合や異変のあるケースを除き、基本は「経膣分娩」です。

しかし「経膣分娩」の最中でも、母体への危険や赤ちゃんに異変があると、緊急帝王切開となります。

また、帝王切開のうちの約6割が「緊急帝王切開」とも言われています。そのため、「緊急で帝王切開になることもある」と心得ておきましょう。

分娩の経過は3段階に分けられる

第1段階

第1段階は「開口期」と呼ばれ、陣痛が始まり子宮口が全開(10センチ)になるまでの期間です。初産の場合は「遅め」と言われており、10〜12時間程度かかります。経産婦では、4〜6時間です。

この段階では、すぐに赤ちゃんが産まれてくるわけではありません。食べたり飲んだりしてエネルギーを蓄えましょう。

ご家族の方は、入院に必要なものを準備したり、妊婦さんの腰をさすったりしてください。

第2段階

第2段階は「娩出期」と呼ばれ、子宮口が全開となり「いきむ」と赤ちゃんが出てくるステップ。初産婦では2〜3時間で、経産婦では1〜2時間程度です。

「いきむ」と赤ちゃんが、頭・肩・両手・お尻・足の順番で出てきます。コツとしては、息を吐かずに精一杯いきむことです。反対に陣痛がない時は、力を抜いてゆっくり腹式呼吸してください。

家族の方は、頭を支えてあげたり、汗を拭ってあげたりしましょう。

第3段階

第3段階の「後産期」は、赤ちゃんが出てきた後の状態です。

赤ちゃんが無事に産まれ出た後には、酸素や栄養を送っていた胎盤を体内から出します。時間にすると約10〜20分程度です。

なお、胎盤を出す際は少し陣痛が起こります。全身の力を抜いてリラックスしてください。胎盤を出す際だけ、軽くいきむのがポイントですよ。胎盤が出た後は、速やかに子宮が収縮します。

出産は誰一人として同じケースはない

出産は誰一人として同じケースはない

出産は奇跡の連続です。陣痛が起きる前から、赤ちゃんが出てくるまでの経過は、誰一人として同じ人はいません。

予定通り出産できる人から、急遽帝王切開になる人までさまざまです。今回は出産に関する基本的なことを紹介しましたが、さまざまな情報を知っておくことが重要です。

また、出産の際には周囲の人のサポートも大切になります。産後うつになってしまう女性も一定数います。産まれてからも周囲の人と協力しながら子育てをしていきましょう。

Written by 川元雄之

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