可愛らしい女性のイメージといえば「カフェでゆったりとコーヒーを飲みながら甘いお菓子を笑顔で食べる」というようなものを思い浮かべる方も多いようですが、少し前、インターネットではコレの真逆をいくような男性からの文章が流行しました。
「カフェでスイーツを食べている女子よりも、居酒屋で肉・魚を肴に酒を飲む女子の方にこそ魅力的な人が多い」というものです。女性は、これをどのように受け止めるのがよいのでしょうか。
この文章をシンプルに捉えてみると見えてくるのは、「発言者はそういう女性が好みなのだな」という点ですね。もう少しだけ踏み込んでみると「カフェでのスイーツは無理だけど、居酒屋で一杯付き合うことならできるから、そうしたい」という願望も見えてきます。
もし「居酒屋通いが趣味の大酒飲みの私なんてどうせ可愛くない……」と落ち込んでいる方がいらっしゃれば、これは少し嬉しい言葉に聞こえるかもしれません。
この言葉が流行したのは、この言葉が表現したような価値観が、今はまだ主流ではないからでしょう。モノメズラシイ感、と言うのが適切でしょうか。
つまり裏を返せば、「カフェでスイーツを食べている女性は受け入れられやすいが、居酒屋で酒を飲むような女性は本来であればモテの対象外」であることが常識として横たわっているということです。
カフェにはカフェの魅力がありますが、居酒屋には居酒屋の魅力があります。
それらの魅力を「モテないかもしれないから」という理由で遠ざけてしまうのは残念ですし、「モテそうだから」という理由で興味もないのに利用するというのもつまらないですね。
ある程度の「モテ」を得るのは難しくはありません。モテたい対象の好みを調べ、それに乗っかればよいだけですから。けれど、それで本当に楽しさを感じ、満足することはできますか?
自発的に乗るのであれば問題はありません。けれど、自分の感覚を曲げてまでそうすることは、あまりオススメできません。そうしてふらふらとしているうちに、いつしか「本当に自分が満足するもの」を見失ってしまうかもしれないからです。
カフェがいいのか、居酒屋がいいのか。どちらとも好きで、そのどちらも本心である……ということもあるかと思います。どちらにも興味がない、ということもあるかと思います。
そのどちらでも、問題はないのです。「モテそう」な風潮を見つけた時の上手な波の乗りこなし方を、身につけていきたいですね。
Written by 佐原チハル