昨日まで親しげに話しかけてきた人が、立場が変わった途端によそよそしくなることがあります。そうした態度の変化に戸惑い、がっかりした経験がある方もいるかもしれません。今回は、「手のひら返し」する人に共通する特徴と、振り回されないための付き合い方をお伝えします。
手のひら返しする人の特徴としてまず挙げられるのが、相手の立場によって態度を使い分けることです。部長には「さすがですね、勉強になります」と明るい声で相づちを打つ一方、後輩には目も合わせずに「それ、まだ?」と短く返す、といった具合です。
こうした人は、相手が自分にとって得になるかどうかで接し方を決めています。人として向き合っているのではなく、肩書きと向き合っているのです。
手のひら返しする人は、相手の立場が変わった途端に態度を変えます。私自身、前の職場で異動が決まったとき、それまで毎日のようにランチに誘ってくれていた同僚から、ぱたりと声がかからなくなった経験があります。
異動先が社内でも目立たない部署だったこともあり、「もう付き合っても得がない」と判断されたのでしょう。反対に、昇進が決まった人には急に親しげに話しかけるのも、このタイプによく見られる行動です。
手のひら返しする人には、自分の意見を持たずに周りへ合わせる特徴もあります。会議で最初は「いいと思います」と賛成していたのに、上司が反対した途端に「実は私も気になっていました」と言い出すのです。
意見を変える理由は、内容ではなく誰が言ったか。そのため、昨日の味方が今日は反対側に回ることも珍しくありません。
手のひら返しする人は、自分が困っているときだけ距離を縮めてきます。普段はそっけないのに、締め切り直前になると「〇〇さんしか頼れる人がいなくて」と甘えた声で相談してくるのです。
ところが問題が片づくと、お礼もそこそこに元の態度へ戻ってしまいます。人との関係を、必要なときにだけ使うものとして考えているのかもしれません。
手のひら返しする人の特徴として、結果によって言うことが変わる点も見逃せません。企画が成功すれば「私が最初に提案したんです」と前に出て、失敗すれば「私は最初から反対でした」と距離を取ります。
自分の評価を守ることを何より優先するため、その時々で立ち位置を変えてしまうのです。
口頭でのやりとりだけだと、あとから「そんなこと言っていない」と覆されるおそれがあります。打ち合わせで決まったことは、「先ほどの件、〇〇で進めますね」とメールやチャットで送っておくと安心です。
記録が残っていれば、相手が態度を変えても、自分の立場を落ち着いて説明できます。
手のひら返しする人からの褒め言葉は、うれしくても真に受けすぎないことが大切です。「〇〇さんって本当にすごい」と持ち上げられても、「ありがとうございます」と軽く受け流しておきましょう。
最初から期待しすぎなければ、態度が変わったときにも必要以上に傷つかずにすむのです。
相手の立場によって態度を変える人は、聞いた話を自分に都合よく使うこともあります。家族のことや職場への不満などは、深く話しすぎないのが無難です。
雑談には感じよく応じながらも、踏み込んだ話は信頼できる人にだけするのがよいでしょう。
ひとりの人の態度に一喜一憂していると、心がすり減ってしまいます。社外の友人や家族など、立場に関係なく付き合える相手がいると、気持ちを落ち着けやすくなるものです。「あの人の態度が急に変わって」と話せる場所があるだけで、職場では淡々と接する余裕も生まれるのです。
手のひら返しする人は、相手の立場や損得によって接し方を変えます。その態度の変化は、あなた自身の価値が変わったから起きたものではありません。
相手を変えようとするより、記録を残す、話しすぎないといった小さな工夫で距離を保つほうが、ずっと楽に付き合えるはずです。立場に関係なく接してくれる人とのつながりを、これからも大切にしていきたいものです。
Written by 佐和