仕事も趣味も充実しているのに、ふとした瞬間に「結婚していたら、今ごろどうだったんだろう」と考えてしまう……。そんな経験、一度はありませんか?今回は、独身のまま年を重ねた人が後悔を感じやすい瞬間と、その気持ちとの付き合い方を紹介します。
独身のまま年を重ねた人がふと後悔するのは、体調を崩したときであることが多いようです。38度の熱でふらふらしながら、マスクをしてドラッグストアまで歩く夜。帰ってきても、おかゆを作ってくれる人はいません。
若いころは「ひとりの方が気楽」と思えていたことも、体力に自信がなくなるにつれ、心細さに変わっていきます。体が弱っているときほど、人は誰かに頼りたいという気持ちが強くなるものだと思います。
独身のまま年を重ねた人が後悔を感じる瞬間として、同世代の友人の「親としての姿」を見たときも挙げられます。学生時代から仲の良かった友人の、子どもの結婚式。花嫁の手紙を聞きながら涙ぐむ友人の横顔を見て、自分には経験できない時間があるのだと気づくのです。
祝福する気持ちに嘘はありません。それでも帰りの電車の中で、自分の選んだ人生をふと振り返ってしまう人は多いのではないでしょうか。
独身のまま年を重ねた人にとって、親の介護も後悔を感じやすいきっかけのひとつです。仕事の合間に実家へ通い、病院の付き添いや役所の手続きをすべてひとりでこなす日々。きょうだいがいても、「独身だから時間があるでしょ」と負担が偏ることも少なくありません。
「相談できる相手がいたら」と思う瞬間は、こうした時期に何度も訪れます。
ひとり旅を楽しんでいる人でも、独身のまま年を重ねると、ふとさみしさを感じる場面があります。旅先で見た夕焼けがあまりにもきれいで、思わず隣を見たけれど誰もいなかった……。
感動を分かち合う相手がいないことは、日常の小さな場面ほど身にしみるもの。おいしいものを食べたときや季節の移り変わりを感じたときにも、同じ気持ちになる人は多いと思います。
独身のまま年を重ねた人が、現実的な不安とともに後悔を覚えるのが、書類の記入欄です。実は私の知人も、50代で手術を受けることになった際、入院申込書の「緊急連絡先」「身元保証人」の欄を前に、しばらくペンが止まったと話していました。
高齢の親の名前を書くわけにもいかず、結局は遠方に住む弟に頼んだそうです。「もしものとき、自分には誰がいるのか」という問いを、突然つきつけられる瞬間なのだと思います。
心理学では、選ばなかった道ほど実際より魅力的に見えやすいといわれています。後悔の気持ちを否定せず、これからの暮らしを整えるきっかけにしてみましょう。
いざというときに頼れる人は、家族だけとは限りません。近所の顔なじみ、長く付き合いのある友人、同じ趣味の仲間。具体的に名前を書き出してみると、思っていたより多くの人とつながっていることに気づくはずです。
大切なのは、一方的に頼るのではなく「お互いさま」の関係を育てること。友人が困ったときに手を貸しておくと、自分が困ったときにも声をかけやすくなります。
緊急連絡先をお願いできる人を決めておく、身元保証を代行するサービスや自治体の見守り制度について調べておく。元気なうちに準備を進めるだけで、漠然とした不安はかなり軽くなります。
不安の多くは、「よくわからない」ことから生まれるものです。ひとつずつ具体的にしていくことが、心の余裕にもつながります。
「この年齢で今さら」と思うかもしれませんが、40代・50代から新しいパートナーと出会う人は珍しくありません。趣味のサークルや社会人向けの講座、大人世代向けの婚活イベントなど、出会いの形も広がっています。
結婚にこだわらず、「一緒に食事を楽しめる相手がいたらいいな」くらいの気持ちで出かけてみるのもひとつの方法です。
結婚しなかったことを後悔する瞬間があっても、それはこれまでの人生が間違っていたという意味ではありません。自分にとって本当に大切なものは何かを教えてくれる、ひとつのサインともいえます。
大切なのは、その気持ちをこれからの暮らしにどう生かしていくかということだと思います。今の自分にできることから、少しずつ始めてみてください。
Written by Sara