ランチ会ではよく笑い、LINEの通知も途切れません。それなのに、本当につらいときに連絡できる相手が思い浮かばない……。今回は、本音を話せる友達がいない人がついやってしまいがちなことと、心を開ける関係を育てるためにできることを紹介します。
本音を話せる友達がいない人にありがちなのが、心配されても本当のことを言わないことです。「最近元気ないね」と聞かれて、「全然大丈夫!ちょっと寝不足なだけ」と笑って話を終わらせてしまいます。
「弱っている姿を見せたら、気をつかわせてしまう」というやさしさが、結果的に友達との間に壁を作っているんです。
本音を話せる友達がいない人によく見られるのが、グループの会話でいつも聞き手側に回ることです。誰かの意見には「わかる〜!」「それな」とすぐにスタンプで同意。でも、自分の考えを書き込むことはほとんどありません。
場の空気を壊さないのは大人のマナーでもあります。ただ、合わせてばかりいると、周りからは「何を考えているかわからない人」に見えてしまうこともあるんですよね。
本音を話せる友達がいない人には、聞き役に徹してしまう傾向もあります。友達の恋愛相談や職場の愚痴には何時間でも付き合うのに、自分の話になると「私はとくに何もないよ」と切り上げてしまうパターンです。
実は私も、長年「頼れる聞き役」のポジションにいました。ある日、学生時代からの友人に「あなたの悩みって聞いたことないよね」と言われてハッとしたんです。信頼し合っていると思っていたのに、実際は私が一方的に話を聞いているだけだったと、そのとき初めて気づきました。
本音を話せる友達がいない人の特徴として、話す前に頭の中で内容をふるいにかけてしまう点が挙げられます。夫への不満、お金の心配、親の介護のこと。話したいことはあっても「重いと思われるかな」「自慢に聞こえるかな」と考えるうちに、結局は当たり障りのない話題で終わってしまいます。
自分が話題を選ぶほど、相手も深い話を振りにくくなります。お互いに様子をうかがったまま、何年たっても関係が深まらないことも少なくありません。
本音を話せる友達がいない人は、人付き合いがどうしても受け身になりがちです。「誘われたら行く」というスタンスのままだと、相手からは「あまり乗り気じゃないのかな」と受け取られることもあります。
距離を縮めたいと思っているのは、案外相手も同じ。自分から声をかけない限り、関係はいつまでも「ほどほどの知り合い」のまま止まってしまいます。
いきなり深刻な悩みを話す必要はありません。まずは「最近ちょっと仕事がしんどくて」くらいの、軽い弱音から口にしてみるのがおすすめです。
人は、相手が自分のことを話してくれると、同じくらいの深さで自分のことも話したくなるもの。心理学で「自己開示の返報性」と呼ばれる働きで、こちらが一歩踏み出すと、相手も心を開きやすくなります。
5〜6人の集まりでは、どうしても話題は当たり障りのないものに流れます。本音を話せる関係を育てたいなら、気になる友人と2人でお茶をする時間をつくってみてください。
「今度ふたりでランチ行かない?」と誘うのは少し勇気がいりますが、1対1なら話のペースを自分たちで決められるため、自然と会話が深まっていきます。
本音を話してもらえる関係は、こちらも相手の本音を受け止められる関係です。友達が「実は転職を考えていて」と打ち明けてきたとき、「えっ、もったいない」と反射的に返していないでしょうか。
アドバイスより先に、「話してくれてありがとう」と受け止める一言を。安心して話せる相手だと感じてもらえれば、自分も話しやすくなっていきます。
新しい友達をつくるより、昔の友人との関係を温め直すほうが近道になることもあります。年賀状だけのやりとりになっている学生時代の友人に、「ふと思い出して。元気?」とLINEを一通送ってみるだけで十分です。
昔の自分を知っている相手には、取りつくろわずに話せる安心感があります。返事がそっけなくても、気にしすぎなくて大丈夫。一度やりとりが戻れば、次の「会おうか」は意外と言い出しやすくなります。
本音を話せる友達は、たくさんいなくてもかまいません。何でも話せる人が一人いるだけで、心の負担はずいぶん軽くなるものです。本音を話せる友達がいないのは、人として何かが足りないからではありません。本音を見せる機会が少なかっただけ、ということがほとんどです。
まずは小さな弱音をひとつ、信頼できそうな誰かに話すところから始めてみてください。
Written by 紬(つむぎ)