何かひとつ気になることがあると、他のことが手につかなくなる。そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は、嫌なことばかり考えてしまう原因と、その解消法を紹介します。
一度気になり始めると、同じ出来事を何度も頭の中で再生してしまう人がいます。心理学では、こうした思考の繰り返しは反芻と呼ばれ、気持ちを整理しようとする働きの一つだとされています。
ただ、繰り返すほど気持ちが軽くなるわけではなく、かえって落ち込みが長引いてしまうことがあるのです。考え始めると止まらなくなる感覚は、決して珍しいものではないと言えるでしょう。
物事に対して高い基準を持っている人ほど、うまくいかなかった出来事を長く引きずりやすい傾向があります。「もっとうまくできたはずだ」という気持ちが、同じ場面を何度も思い出させてしまうのです。
完璧を求める姿勢は悪いことではありませんが、自分を追い詰めすぎる原因にもなり得ます。理想と現実の差が大きいほど、その差を埋めようと考え続けてしまうのかもしれません。自分の頑張りを認める視点を持つことも、大切な心の整え方の一つです。
ある女性は、仕事に追われる日々の中で、嫌な出来事を振り返る余裕すらないまま次の予定に追われ、気づけば同じことを何度も考えてしまうと話していました。
気持ちを整理する時間が取れないと、感情がそのまま持ち越されてしまいやすいのです。忙しい日中に処理しきれなかった感情が、ふとした隙間の時間に一気に押し寄せてくることもあります。忙しさそのものが、悩みを長引かせる一因になっていると言えるでしょう。
相手がどう感じたかを必要以上に気にする人は、会話や行動を何度も振り返りやすい傾向があります。「変に思われなかっただろうか」という不安が、同じ場面を繰り返し思い出させてしまうのです。
相手の表情や言葉の一つひとつを深読みしてしまう癖も、この傾向を強めている場合があります。人の反応を気にする気持ちは自然なものですが、行きすぎると自分を苦しめる原因になります。相手の反応を一つの事実として受け止め、必要以上に意味づけしない姿勢も助けになります。
夜、静かな時間になると、日中は気にならなかったことが急に気になり出す人も少なくありません。刺激の少ない時間帯は、考え事に意識が向きやすくなるためです。
日中は忙しさに紛れていた不安が、静かな環境の中で表面化しやすくなるとも言えます。考え事をする時間帯に偏りがあることも、嫌なことを繰り返し考えてしまう一因なのでしょう。
日々の小さな工夫で、考えすぎる癖は和らげていけるはずです。
「考えるのは今日のこの時間だけ」と決めておくと、際限なく考え続けることを防げます。時間を決めてしまうことで、それ以外の時間は意識を切り替えやすくなります。
時間を区切ることで、気持ちに区切りをつけやすくなります。終わりの時間を先に決めておくだけでも、考え続けることへの抵抗感が減っていきます。
頭の中だけで考え続けるのではなく、思っていることをそのまま紙に書き出してみましょう。文章として整っていなくても構わないので、感じたことをそのまま書き留めてみてください。
書き出すことで、考えが整理され、頭の中がすっきりしていきます。見返したときに、当時ほど深刻に感じなくなっていることに気づく人も多いようです。
軽い運動や散歩を取り入れると、意識が体の感覚に向き、考え事から距離を置きやすくなります。体を動かしている間は、思考が一時的にお休みしやすくなるとも言われています。
気持ちを切り替えるきっかけとして、体を動かす習慣を持っておくとよいでしょう。短い時間の散歩でも、気分転換としては十分な効果が期待できます。
一人で考え続けるのではなく、信頼できる人に話してみるのも一つの方法です。話しているうちに、自分の中で結論が出ていることに気づくこともあります。
話すことで、自分では気づかなかった視点が得られることがあります。話す相手は、答えを出してくれる人でなくても構わないのです。
嫌なことばかり考えてしまう背景には、真面目さや責任感の強さが関係していることも少なくありません。今回紹介した工夫を参考に、考えすぎてしまう自分と上手に付き合う方法を見つけてみてください。
焦らず、自分に合ったペースで気持ちを整理していきましょう。少しずつ試しながら、自分に合う方法を見つけていってください。
Written by 佐和