近年での婚活市場の傾向として「女余り」の状態が続いていると言われています。東京に住んでいれば「関係無さそう」だと考える方もいますが、実際には東京においても「女余り」の状態が起きているようです。
そこで今回は、データで見る婚活市場の男女比を解説すると共に、東京で「女余り」が起きている理由や結婚相談所の実態を解説していきます。東京の婚活市場で勝ち抜くための戦略もご紹介していくので、婚活を成功させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
まずは婚活市場の男女比を、データを用いて明確化させていきます。
◎主要婚活サービスの男女比
◎年齢別の男女比データ
それぞれ解説していきましょう。
下記では、結婚相談所やマッチングアプリにおける男女比を表で表しています。
マッチングアプリに関しては、詳細な男女比がネット上にはないため、おおよその男女比を記載しています。
実態を把握するためにも役立ててみてください。
【結婚相談所】
| サービス名 | 男性の割合 | 女性の割合 | 
| ツヴァイ | 50.6% | 49.4% | 
| オーネット | 約55% | 約44% | 
| サンマリエ | 46% | 54% | 
| パートナーエージェント | 46% | 54% | 
【マッチングアプリ】
| サービス名 | 男女比(男性:女性) | 
| Omiai | 6:4 | 
| ペアーズ | 6:4 | 
| バチェラーデート | 4:6 | 
| ラス恋 | 5:5 | 
なぜ、各サービスによって男女比に違いがあるのか、その理由としてはターゲット層が第一に考えられます。
サービスによって、ターゲットとなる入会者が異なるため男女比に差が出てしまう仕組みです。
そのため、男性がターゲットのサービスであれば男性の利用者が多く、女性がターゲットであれば女性の利用者が多いです。
ただし、年齢によって比率が違うケースもあるため、詳しいデータを知りたい場合には、各サービス会社に問い合わせてみましょう。
厚生労働省が発表した2020年の国勢調査を基にしたデータによる年齢別の未婚割合の推移をみていきましょう。
| 年齢層 | 男性の未婚割合 | 女性の未婚割合 | 
| 20~24歳 | 95.7% | 93.0% | 
| 25~29歳 | 76.4% | 65.8% | 
| 30~34歳 | 51.8% | 38.5% | 
| 35~39歳 | 38.5% | 26.2% | 
| 40~44歳 | 32.2% | 21.3% | 
| 45~49歳 | 29.9% | 19.2% | 
未婚割合の推移だけを見れば、「女余り」の現象は起きていないと考えられます。
しかし、結婚相談所の年齢別男女比率を見てみると、年齢によっては女余りの状態となっており、競争率が高くなることが予想できます。
以下は、2025年1月時点のIBJメンバーズの年齢別の男女比データです。

上記グラフを見ると、30~34歳は圧倒的に「女余り」の状態と言えます。
そのため、30~34歳の女性が同年代の男性を探すとなれば、競争率が高くなります。
しかし、35歳を超えれば男女比率は同程度となり、40歳以上になれば男性の比率が多くなる傾向です。
年上男性を探している女性にとっては有利な状態となるため、年下女性との結婚を目指している男性にとっては年齢が高い方が有利と考えられます。
多くの男女が住んでいる東京において、なぜ「女余り」が起きているのか、その理由として以下が考えられます。
◎地方から若い女性が流入する人口構造
◎低年収の男性が婚活市場から姿を消す現実
◎女性の希望条件(年収・学歴)が高すぎる問題
地方でも「女余り」の現象は巻き起こっていますが、東京だからこそ起こる理由もあります。
それぞれを詳しく解説していきましょう。
東京は地方から若い女性が流入しやすい人口構造です。総務省による「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」によれば、2023年度と比較して転入者数から転出者数を引いた社会増減率でプラスとなったのは、東京都を含めて7都府県という結果です。その中でも東京都は最も増加数が多い結果となり、2番目となる千葉県と比較すると増加率も高い傾向です。
なぜ、東京に人が集まりやすいのか、その理由としては進学や就職が挙げられます。地方と比較すると、大学や専門学校の種類だけではなく、企業の数も東京は多いです。女性が就ける職種も豊富にあり、条件が良い職場も多いため、上京する女性が多いと予想できます。男性も上京する人は多いですが、工場に就職する場合は東京ではなく都心部から離れた場所になりやすいとも言えるため、女性の方が都心に集まりやすいと考えられます。
「女余り」と言われている理由として、「低年収の男性が婚活市場に入ってこない」が挙げられます。
結婚相談所「オーネット」の男性会員の年収を見てみると、以下のようになっています。
| 年収 | 割合 | 
| 399万円未満 | 13% | 
| 400~499万円 | 20% | 
| 500万円以上 | 65% | 
入会している男性会員の年収で最も多いのは年収500万円以上です。
最も少ないのは年収399万円以下の13%で、その差は52%にも及びます。上記の結果からもわかるように、年収の低い男性は結婚相談所への登録が少ない傾向です。
これは、社会的な偏見や女性に求められないといった理由も挙げられますが、経済的な不安定さによって「結婚後の生活が心配」「妻や子どもを養えるか不安」といった理由から婚活を避ける男性も多いです。
また、婚活自体に費用がかかる点もデメリットです。婚活では、パーティーへの参加費や結婚相談所の活動費など、女性と比較すると男性の方が負担は大きいです。そのため、「費用がかかるなら避けたい」「余裕がない」と考えてしまいます。
その結果、婚活市場から年収の低い男性が遠ざかってしまいます。
日本では、年功序列の企業がまだまだ多いため、年齢が上がらないと年収がアップしない方もいます。
国税庁による「令和5年分 民間給与実態統計調査」における男性の年齢階層別平均給与をみてみましょう。
| 年齢 | 平均給与 | 
| 20~24歳 | 279万円 | 
| 25~29歳 | 429万円 | 
| 30~34歳 | 492万円 | 
| 35~39歳 | 556万円 | 
| 40~44歳 | 612万円 | 
| 45~49歳 | 653万円 | 
| 50~54歳 | 689万円 | 
| 55~59歳 | 712万円 | 
| 60~64歳 | 573万円 | 
女性の中には年収の高さを条件として設定している方は多く、中でも「年収600万円以上」を上げる女性は多い傾向です。
上記の表を見てみると、40歳以上から59歳までの男性の平均年収は600万円を超えていることがわかります。
しかし、この数値はあくまでも平均値です。全ての男性が年収600万円を超えているわけではなく、300万円に満たない男性や400万円ほどの年収の男性も多く存在します。実際、年収が600万円を超える男性は、全部の年代を含めて3割程度しか存在しないと言われています。
しかし、婚活では条件を重要視する女性が多いため、年収が低い男性が結婚相談所やマッチングアプリなどに登録をしても相手にされない恐れがあります。そのため、年収の低い男性は「相手にされないなら最初から利用しない」などと考え、婚活から遠ざかってしまうのです。上記の理由から、婚活においては女性の割合が多くなっています。
結婚相談所で男性が少ない理由として以下の3つが挙げられます。
◎厳格な交際ルールが男性に敬遠されがち
◎女性会員の年齢層がマッチングアプリより高め
◎男性は女性より結婚への焦りが少ない傾向
それぞれを詳しく解説していきましょう。
結婚相談所を利用する場合、ルールに従う必要があります。
そのルールの1つに「交際中の性交渉禁止」があります。
男性の中には「付き合うなら体の相性を気にする」「結婚するなら体の相性が大切」と考える方も多いです。
しかし、交際中の性交渉禁止のルールがなければ以下のようなデメリットがあります。
◎体目的の男性会員が増える
◎性行為を武器にする女性が現れる
性交渉を容認してしまえば結婚相談所の秩序が乱れてしまう可能性があるため、上記のようなリスクを考えて性交渉を禁止するルールを設けています。
そのため、体目的の男性が結婚相談所へ入会することはありません。
男性の割合が少なくなる要因となりますが、体目的の男性がいないため、本気で結婚相手を探したい女性にとっては安心して結婚相談所に登録ができる材料だと言えます。
結婚相談所と比較すると、マッチングアプリの方が女性会員の年齢層が低い傾向にあります。
IBJによる会員の年齢比を見てみると、30代後半の女性が最も多い結果です。
| 年齢層 | 割合 | 
| 20代 | 13.4% | 
| 30代前半 | 26.1% | 
| 30代後半 | 27.1% | 
| 40代前半 | 15.5% | 
| 40代後半 | 7.8% | 
| 50代以上 | 10.1% | 
一方、マッチングアプリは結婚相談所のように厳格なルールを設けていないところも多く、加えて登録も手軽です。結婚ではなく恋人や友人とのマッチングを希望している女性も登録しているため、結婚相談所よりも女性会員の年齢層は低い傾向にあります。そのため、20代でも登録している女性は多いです。結婚相手の条件として、若い女性を求めている男性は多い傾向です。
もちろん、落ち着きのある大人の女性が好きな男性も多いですが、「若くてかわいい」「経験が少ない若い子が好み」と考える男性は多いです。また、結婚をすれば子どもが欲しいと考える男性もいるため、出産のことを考慮すれば若い女性を求める傾向にあります。そのため、結婚相談所ではなくマッチングアプリに登録をして婚活をしている男性が増えています。
男女の結婚に対する意識は、国立社会保障・人口問題研究所による「現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査」で確認できます。
年齢別にみた未婚者の生涯の結婚意志を質問した結果、「いずれ結婚するつもり」と答えた方は以下のようになっています。

男女で比較すると、男性の方が「結婚」を考えている人が少ないことがわかります。
中でも30~34歳男性は前回の調査では83.3%、今回の調査では70.8%と大きく減少しています。
今後も結婚を考えない男性は増えることが予想され、結婚に対する焦りも感じにくいと考えられます。
最後に、東京での婚活で勝ち抜く3つの戦略をご紹介していきます。
◎平均初婚年齢の罠に惑わされず早く始める
◎希望条件に優先順位をつけ、こだわりすぎない
◎「選ばれる」ための自己分析と市場価値の理解
下記では、それぞれを詳しく解説していきます。
平均初婚年齢を見た時「少し過ぎているだけだから大丈夫」と考える方もいます。しかし、その考えは危険です。なぜなら、平均初婚年齢と実際に結婚している年齢は大きく乖離しているためです。例えば、厚生労働省による「令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況」を見てみましょう。東京都における女性の平均初婚年齢は29.7歳という結果です。
しかし、最も初婚人数が多い年齢は27歳です。
20~49歳の間で考えた時、30歳までに結婚している女性の割合は61.7%にも上ります。
年齢が上がってから初めて結婚する人がいれば、平均値も高くなるため、平均初婚年齢を目安に婚活をすれば厳しい現実が待っている可能性もあるので注意してください。
下記の表は、24歳~35歳までの初婚件数です。

婚活を成功させるためにも条件にこだわりすぎないことが大切です。前述したように、女性の場合は年収を重要視する傾向があります。その他にも、人によって様々な条件があるはずです。しかし、自分にとっては普通でも他の人から見れば普通ではないケースがあるため注意が必要です。条件の良い異性と結婚するためにも、選ぶ立場ではなく「選ばれる立場」であることを理解する必要があります。
「自分にとって見合う人なのか」「条件が高すぎていないか」一度見直してみてください。そして条件には優先順位をつけて、妥協しても良い部分がないか確認してみましょう。
自分の強みがあればアピール材料になります。
独自の強みは異性の目にも留まりやすいので、自己分析は婚活において大切なポイントです。
強みを知る方法としては以下が挙げられます。
◎自分の経験を振り返る
◎周りの人に聞く
◎弱みを洗い出す
◎分析できるツールを活用する
ただし、注意すべき点として「過去の栄光にすがらない」が挙げられます。
「学生時代はモテていた」「学生時代には人気の男性ばかりと付き合っていた」という経験があると、現在でも同じような状態が続いていると考える女性がいます。
しかし、婚活では年齢が重要視されるケースも多いため、その経験はあまり役に立ちません。
確かに過去にモテていた女性は今でも美人である可能性が高いですが、若い女性と比べれば肌のハリやくすみなどは衰えているはずです。
体の内側となる内臓や生殖器に関しても、若いままの状態を保つことは難しいため、年齢はマイナスポイントとなってしまいます。
年齢に合わせた市場価値を理解し、婚活に臨んでください。
婚活では「女余り」の状態が続いています。
男性が減れば競争が激しくなるため、勝ち抜くためにも積極性が大切です。
そのためにも、自分の強みや市場価値を理解し、婚活を成功へと導いていきましょう。
自分の強みがわからない場合には、専門家に相談するのもおすすめです。
結婚件数が最も多い26~27歳前後が婚活のピークだと考えられます。
妊娠や出産を視野に入れている人が多いことや経済的、精神的に自立しやすい年齢層といった理由があるためです。
約60%前後です。
男性はキャリア形成を優先する傾向にあるため、30代を過ぎてから婚活をスタートする方も多いです。
婚活をしている男性は女性よりも少ない傾向にあります。
結婚相談所では、おおよそ男性4:女性6の割合が一般的です。
結婚相談所やマッチングサービスなど、種類によって男女の割合は異なるので、あらかじめチェックしてください。
Written by 早紀