Q:「友達も彼氏もいない。無性に寂しい時の対処法が知りたいです」(29歳女性・教師)
ご質問誠に有難う御座います。
ここ20年ほどのプロ野球で「天才バッター」と言えば、おそらく二人の打者の名前が上がるでしょう。
一人目は、誰もが知っている天才。数々の記録を残した生きる伝説「イチロー」
そして二人目は、イチローと比較すれば、格段に知名度も成績も劣る孤高の天才バッター。
元広島東洋カープ前田智徳選手で御座います。
プロ入団6年目に、選手生命が絶たれるには十分すぎる怪我をしながら、それから18年間。合計24年間プロ野球の前線で戦った前田選手が、天才と呼ばれるその所以は一言で言えば「究極の普通」でしょう。
前田選手のバッテイングフォームは極めて普通の打ち方で御座います。それこそ何にも特徴がない、と言ってしまっても良いほどでしょう。そしてそれが誰にも到達できない境地。
まさに教科書通りの打ち方のなのです。誰もが「教科書通り」を目指して、途中である種の「挫折」をして、自分だけのオリジナルフォームを組み立てるのです。
もう一人の天才である「イチロー選手」などもその例に該当するでしょう。イチロー選手の「振り子打法」は少なくともイチロー選手以前には誰も成功したことがない方法。基本に忠実な前田選手のスイングが「王道」であるのなら、イチロー選手のスイングは「邪道」としか言えません。
もちろん、それで成功するのであればそれはそれで構いませんが、あくまでもそれは「参考にすべきスイング」ではないのです。
我々はいつだって「王道」を目指すべきであり、どうしても自分が王道の境地に到達できないと判断した段階で「仕方なく」自分の邪道を探し出す。少し懐かしい話ですが、結果が2位なのはともかく「2位を目指す」ということに価値はあまりないように。
自分という存在を「少しでも王道に似せるために、邪道で自分を王道に見せる」のです。
これを私は木をイメージして捉えています。木の1番高い部分こそが王道であり、誰もがそこを目指しながら、どこかで枝分かれしてしまう。ただ、出来る限り王道を目指して高いところまで来てから、枝分かれをした方が高いところに行ける傾向にある。
そして、人が人にものを教える時、アドバイスをする時、そんな時に行うべきなのは「王道」を伝えることだと私は思っています。
ご質問者様も教師なのですから判るでしょう。生徒に何かを聞かれた時、邪道を教えるのは教師として失格です。
世間は「一人一人に合わせた適切な指導を!」みたいなことを言いますが、王道が「全員を60点にする」指導方法であるのならば、自己流は「一人を120点にし、残りの99人を0点にする」指導方法なのです。それに困ったことに「自己流」で成功する生徒というのはたいていの場合、王道を教えてもそれを無視してしまう。自己流で成功することに憧れて反抗する凡人など、自己流の器ではありません。むしろ、そういう反逆児が自己流で死へと向かわないように王道を教える事こそが教育です。
王道がなぜ王道になれたのか、ということを天才に憧れ自分も天才だと思っている凡人は理解していない。
王道は私たちのようなバカが、無能が、凡人が、つまり誰がやってもそれなりに最大限の効率を出せる手段だから王道になれたのです。
「出来る限り王道に似せなさい、似せるためには邪道に走ってもいい」これが私の考えです。最初から邪道を目指すことを私は止めませんが、少なくとも「自分で方法を考え貫く力がある天才」以外がそんなことをすれば、結果は目に見えています。
さて、それでは寂しさを紛らわす「王道」とは何か。それは友達や恋人。それから今回の質問にはないものの家族でしょう。
それ以外の方法は「邪道」で御座います。ご質問者様が男性であれば「仕事」も限りなく王道になるのですが、女性であれば難しいでしょう。私のこの発言を「時代錯誤な差別主義者」と感じる方がいるとは思いますが、まぁそれは仕方のないこと。どうぞご自由に罵倒して頂ければと思います。私は自分が差別主義者か平等主義者かということに興味はありませんし、クレバーでリベラルば平等主義者と思われたいとも思いませんので。
「友達や恋人がいないから、寂しさを拭えないご質問者様」にお伝えしたいのは、「友達や恋人(もしくは家族)を作りなさい」という残酷な回答で御座います。
その上で付け加えるのなら「王道以外の方法で寂しさを拭うことに比べれば、友達や恋人を作ることなんて極めて簡単である」ということ。
「真の友達を作る」という王道の境地に到達することは、野球で言えば前田智徳のように「イチローや落合に天才と言われた天才」にしか出来ません。ですがそれによく似た紛い物作ることはそこまで難しいことではないでしょう。
純度100%の友達は作れなくとも、純度95%くらいの友達なら割と簡単に作ることができるかもしれません。友達作りが下手な人だって70%くらいの友達ならまぁ作れるでしょう。
そして、このように純度100%の友達を作るという目標を持ったものの、途中で「そこまでは無理」と挫折した結果が純度95%の友達であり、純度70%の友達で御座います。
これこそが寂しさを紛らす「王道」でしょう。
その中で、自分を王道にどう近づけるかと言う「邪」の部分はこれは人によって全く異なりますし、自分で見つけてこそが価値があるので私から言えることは御座いません。
またそもそも王道という木に登らずに、自分で羽を掴もうとする奇人変人跳ね返り、そして天才もおりますが、それで解決できるのは「私」が思いもよらぬ方法で物事を解決できる方に限ります。当然ですが、私から何かお伝え出来ることは御座いません。
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Written by ラブホスタッフ 上野