片想いをしていると、「フラれたらどうしよう……」と不安で、なかなか告白に踏み切れないことが多いでしょう。また、彼氏がいるとしても、嫌われないように素の自分をさらけ出せないかもしれません。
恋愛において、人は誰しもネガティブになりがちだといえます。つねに堂々と振る舞える自信家や、先の見通しが立たなくても行動できる楽天家はあまり多くないはずです。
でも、ネガティブ思考に陥ると、自分で自分を縛り付けたり、諦めなくていい状況で諦めたりして損をしがちになります。ネガティブ思考が罠を張って、前進したいのにできなくなってしまうんですね。実に厄介なトラップだといえます。
人間はそもそもネガティブな生き物なんだそうです。根拠は、原始の時代がつねに死と隣り合わせだったところにあります。今日は狩りができて食料があるけど、明日はどうなるかわからない、とか。冬の寒さをしのげなくて凍えそうなど、注意して命を繋いでいかなければ生きていけなかったんですね。いつ死ぬかわからない中で、警戒心や慎重さは自分の身を守る大切な感覚でした。ネガティブだったからこそ、ヒトという種が守られてきたともいえるでしょう。
ですから、「私はネガティブなタイプ」と自己嫌悪に陥る必要はありません。人はそもそもネガティブで、後ろ向きに不安を抱える生き物なのです。
ネガティブ思考は「死なないためのもの」なので、とても安全な日々を送れる私たちはもう、かつてのように重要視する必要はありません。ネガティブ思考は、行動すべき状況でも動き出せず、足踏みを続ける原因を作ってしまいます。
それに、ちょっと考えてみてください。失恋をしても、婚活に失敗しても、命を奪われることはないですよね。気持ちは沈むけれど、落ち込むなんて死ぬより何倍も気が楽じゃないですか?
恋愛がたとえ思い通りにならなかったにせよ、「ま、いっか。別に死ぬわけじゃないし」と軽く受け流せたら、次のアクションをより早く起こせます。うまくいかないことをずっと引きずる人より、早く幸せを引き寄せられるでしょう。
つまり、ポジティブ思考は、「幸せを手に入れるためのもの」だということ。気持ちの切り替えが上手な人ほど、早く幸福を手に入れられるのです。
ただ、筆者もそうですが、気持ちの切り替えって難しいですよね。世の中に深刻に悲観すべきものって、あまり多くないはずなのに、ウジウジと考えてしまいます。
そういう時は、頭の中で「時は金なり」と唱えてみると良いかもしれません。人生は長いようでいて短く、アッという間に過ぎ去ってしまいますから、ネガティブ思考にとらわれて落ち込んでいる暇なんてないんです。落ち込む時間が長くなるほど「自分は損している。幸せが逃げていく」と、頭を切り替えるよう努力するのです。
恋や結婚がうまくいかないとき、悲しみや悔しさに見て見ぬふりをするのはキケンです。マイナス感情は解消されず、胸の奥に溜まったままになるので、とことん泣いたり、友人などに思いっきり愚痴をぶちまけたりして、外に全部出してしまいましょう。
また、そうすることで、ネガティブ思考は解消されやすくなるはずです。理性的な大人を気取って冷静に振る舞うよりは、大声を上げて号泣した方が良いのです。マイナス感情がすべて出ていけば、心は自然とポジティブに切り替わります。
「泣いてたってしょうがない。次、行こう!」と前へ進もうとするでしょう。
以前、筆者は恋と仕事が八方塞がり状態になり、ある知人に相談したところ、「今の自分を良い意味で認めて、そんな経験できるワタシって幸せ! と思った方がいいよ」とアドバイスされました。知人の発想の転換に、筆者は感心しきり。ずいぶんと心が軽くなったと記憶しています。
失恋も片想いの迷いも、好きな人がいるからこそ体験できるのであって、好きな人すらいない人からすれば贅沢な悩みなんですね。
人生は山あり谷ありなので、幸せだけ味わって生きていくことは不可能です。「山」を迎えて幸福を手に入れられるのは、「谷」の部分で落ち込みを経験した人だけ。悩めることをありがたいと思うと、ネガティブな思考は解消されやすくなり、ポジティブに幸せを望む気持ちが湧き上がってくるでしょう。
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