婚活市場で増加傾向にあるのが子供を持たない人生を選ぶ「DINKs」です。恋愛をしない、結婚をしないなど、価値観の選択肢が増えている中で、DINKsを選ぶ人も増えているのが現実です。
しかし、全ての人が同じ考えを持っているわけではないため、自分と同じようにDINKsの考えを持つ異性と出会うのは普通の婚活と比較をしても簡単ではありません。
そこで今回は、DINKsとはどんな意味を持つのか概要を解説すると共に、DINKs希望者が婚活する上で選ぶべき方法や成功を目指すためのコツ、注意点などをご紹介していきます。DINKs婚に不安を抱えている人は、ぜひ参考にしてください。
DINKsとは、「Double Income, No Kids」の略語です。Double Incomeは共働き、No Kidsは子を持たないを意味しており、子供を持たない共働き夫婦を選択する人たちを指しています。子供が欲しくても何らかの事情によって授かれない夫婦とは異なり、「結婚をしてもあえて子供を作らずに2人だけで歩むことを選んだ夫婦」を意味しているのが特徴です。
なぜ、DINKsを選択するのかは人によって理由は異なりますが、「育ってきた背景」「自分の時間を奪われたくない」「メンタル的に不安を抱えている」などが挙げられます。DINKsを取り入れればお金に余裕が生まれるのも大きな理由の1つです。子供を育てるためには多くの資金が必要です。
しかし、物価高の世の中でも給料が上がらないなど、経済的な理由で不安を抱えていれば子供を持つことに不安を抱えるのは当たり前のことです。そんな中でDINKsを選択すれば、子供の教育費が必要なくなるため、将来に向けた貯蓄をしっかりとできるようになります。特に近年は共働きが当たり前の時代となっているため、働くことに充実感を抱いている女性も増えています。
こうした背景から「子供を作らない」という考えを取り入れている男性や女性が増えているのです。
DINKsの割合に関する公的なデータはありませんが、「第16回出生動向基本調査」でDINKsの割合を推測することができます。
以下は、結婚持続期間が15~19年の夫婦の出生子供数の分布です。
|
子供の数 |
2021年 |
2015年 |
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4人以上 |
3.2% |
3.3% |
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3人 |
18.6% |
17.9% |
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2人 |
50.8% |
54.1% |
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1人 |
19.7% |
18.5% |
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0人 |
7.7% |
6.2% |
子供が0人の夫婦は最も少ない7.7%ですが、過去の調査と比較すると増加傾向にあります。
1977年に調査を開始してから、子供0人の割合は3%台をキープしており、2005年には5.6%と増加しています。
年々増加傾向にあるため、今後も増えることが予想できます。
異性との出会いを見つける方法として、以下の3つが挙げられます。
・婚活アプリ・マッチングアプリ
・結婚相談所
・婚活パーティー・街コン
理想とする異性の見つけやすさ、費用、気軽に始めて気軽にやめられることなどが大きな理由です。
それぞれの特徴を解説していきましょう。
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婚活アプリやマッチングアプリは婚活において最も手軽に始められる方法です。恋愛や結婚を目的に登録をした会員同士がオンライン上で出会いを探せるサービスです。登録後に、利用者のプロフィールを見て理想の異性を探し、「いいね」といったアプローチをしてマッチングが成功すれば、メッセージの交換やデートの約束などを行えます。
時間や場所を問わずに条件に見合う異性を効率的に探せる点が魅力です。近年では、DINKs希望者に限定したアプリやDINKsを条件として選べるアプリも増えているため、同じような価値観を持つ異性を見つけやすくなっています。会員数が多いアプリに登録すれば、多くの登録者の中から自分好みの理想の相手を見つけやすいです。
結婚相談所を活用しても、DINKsを希望している異性と出会いやすいです。結婚相談所に入会すると、条件を細かく伝えることができます。自分が「DINKs」を希望していることを伝えられるだけではなく、DINKsを希望している人に絞って相手探しができる点も特徴です。理想の条件では、年収や学歴といった項目がピックアップされがちですが、どういった結婚生活を望んでいるのかも理想の条件に当てはまります。
自分にとってDINKsが大切な条件であれば、同じ考えの異性を紹介してもらえるよう、担当者にはあらかじめ伝えておきましょう。
中には「DINKs希望者はいないのでは?」と不安になり、自信をなくしてしまう人もいますが、登録者が多い結婚相談所で担当者に相談すれば案外簡単に見つかるケースもあります。妥協せず、DINKs希望であることは前もって伝えるようにしてください。
婚活パーティーや街コンでもDINKs希望者を探すことができます。婚活パーティーは、結婚を考えている独身の男女が会場に集まってカップルになることを目指すパーティーです。参加者はプロフィールを見ながら会話を交わし、マッチングや連絡先の交換を行います。マッチングアプリとは異なり、直接会って話ができるので、相手の雰囲気を掴みやすい特徴があります。
一方街コンは、街ぐるみで開催されるコンパの略称です。男女が集まって出会いを求めるイベントで、飲食店でお酒や食事を楽しみながら異性と交流できます。どちらも一度に多くの異性と話せ、短時間で出会える点が魅力です。
ただし、誰もがDINKs希望者ではないため理想の相手を探すことに苦労するケースもあります。そのため、DINKs限定や価値観を重視するパーティーや街コンへの参加がおすすめです。
DINKsの考えを持つ男女は年々増えていると予想できますが、子供が欲しいと考える人たちに比べれば少ないため、婚活では価値観の違いから理想の異性を見つけられないケースも考えられます。
DINKs婚を成功させるためにも、以下のポイントを理解しておきましょう。
・プロフィールで「子供は希望しない」と明確に伝える
・メッセージやお見合いで価値観をすり合わせる
・条件を絞りすぎず、柔軟な視点を持つ
それぞれ具体的に解説していきます。
DINKs希望者の場合「バレると相手が離れるかもしれない」と不安視し、本心を隠して婚活に参加しようと考える人もいます。確かに相手が子供を欲しがっていれば、DINKsだと分かった時点で離れていく可能性があります。しかし、隠したままマッチングし、交際へと進んでしまったとしても、いずれはDINKs希望者だとバレてしまいます。
その場合は、交際がうまくいくとは限らないため注意が必要です。お互いに時間を無駄にするだけなので、プロフィールでは「DINKs希望者です」「子供は希望していません」と明確に記すようにしてください。その上で、なぜ子供を望んでいないのか理由も一緒に書くようにしましょう。
例えば、「夫婦2人の時間を楽しみたい」「夫婦だけの時間を大切にしたい」などです。誤解を生まないため、時間を無駄にしないためにも、「相手の気持ちや結婚生活の状況に応じて、柔軟に考えたい」などと曖昧に記載するのは避けるようにしましょう。
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お互いに相手のことを知っていくと価値観の違いで気持ちにブレが生まれるケースもあります。婚活成功を目指すためにも価値観のすり合わせは重要なポイントなので忘れないようにしましょう。そもそも、価値観のすり合わせとは、お互いの考え方や大切にしていることを理解して、相手の価値観を尊重しながら妥協点や納得のできる落としどころを見つけていくことを意味します。
自分と他人とでは価値観が違うのは当たり前ですが、結婚の場においては衝突を避けるためにも積極的に話し合って理解を深めることが大切です。タイミングとしては、2~3回目のデートがおすすめです。
その際には、自分の考えばかりを押し付けないよう、「自分は○○と考えているんだけど、○○さんはどう思う?」などと聞き、相手の話は最後まで聞くようにしましょう。また、その考えを持った理由も聞き、相手の考えや感情を理解しようと努めることも大切です。
結婚してから子供がいらないと考えているなら、その他の条件を厳しくしすぎないことも大切です。DINKsを希望している人は多くなっていると予想できますが、子供を希望している人と比較すると少ないのは確かです。そのため、子供以外の条件を厳しくしてしまうと、出会える相手がいなくなる可能性があります。条件の決め方としては、まずは「絶対条件」と「希望条件」に分けて考えてみてください。
絶対条件は「これだけは譲れない」と考える条件となるため「子供を希望しない」が当てはまります。その他にも、「喫煙の有無」や「年収」など、条件を考えてみましょう。また、希望条件に関しては「できればあると嬉しい」ものです。「料理が得意」「趣味が合う」などが考えられます。希望条件までも絶対条件にしてしまえば、全てを満たす異性とは出会いにくくなるので注意してください。
DINKs婚をする上で注意すべき点は以下の通りです。
・考えが変わる可能性
・両親や周囲の理解
・将来設計の共有
長期的な視点で考えることで失敗を防げます。
それぞれを具体的に解説していきましょう。
DINKs希望者でも、交際している最中や結婚後に「子供が欲しい」と心変わりする可能性があります。人間は変化し続ける生き物なので、自分の考え方や理想も変わっていきます。そのため、パートナーだけではなく自分が心変わりする可能性がある点は覚えておきましょう。もしも考えが変わった際にはきちんと話し合いをすることが大切です。
理想としては、結婚前に気持ちの変化があった時の対処法を話し合っておくことです。結婚後に心変わりや価値観が合わなくなった場合、離婚してしまう夫婦は珍しくありません。我慢し続ければいつか爆発する可能性もあるため、リスクを減らすためにも交際期間中に話し合うことを考えておきましょう。
DINKsを選択する生き方は少数派です。親世代にとっては「DINKs」という言葉を知らない人も多いはずです。また、孫の顔を見るのを楽しみにしている親も多いはずです。そのため、付き合っている段階で「子供はいらない」「DINKs夫婦になる」と伝えても、すんなりと理解してもらえない可能性があります。納得してもらうためにも、夫婦としての考えをしっかりと伝え、2人だけでも幸せな人生を送れることを伝えてください。
もし、反対された場合は反対している理由を聞き、将来設計や夫婦だけの幸せな姿を具体的に伝えて理解を得られるよう努めることが大切です。夫婦2人で幸せに暮らしている姿を見せることで親が安心する可能性もあります。
また、親と会う機会を増やして一緒に過ごせば、相手の人柄を理解してもらえるのでDINKsを理解してもらえる可能性もあります。
親以外の家族や親族など、味方になってくれる人に間に入ってもらうことも有効です。
子供がいない夫婦の場合、将来設計を共有することも大切です。持ち家の有無、老後資金の準備、リスクへの備えなど、子供がいない夫婦ならではの将来設計があるため、お互いにどう考えているのかあらかじめ話し合っておきましょう。子供がいないとなれば、経済的にも余裕が生まれやすいです。
しかし、外食や外出、旅行などの出費が多くなりやすいので浪費には注意しなければいけません。特に介護問題といった老後に関しては子供に頼る選択肢がないため、前もって話し合うことが重要です。将来設計を共有し、備えておきましょう。
子供がいらないDINKs婚を希望しているなら、同じ価値観を持つ異性と出会う必要があります。婚活方法は様々な種類があるので、自分に合う方法を見つけて活用してみてください。
ただし、前もってDINKs希望者だと伝えないと、後悔する可能性があります。リスクを抑えるためにも価値観のすり合わせや将来設計などを共有し、理想のパートナーを見つけてみてください。
経済的な不安や仕事への専念、趣味を楽しみたい、子育てに自信がないといった理由が挙げられます。
子育てには多くの資金が必要になるため、経済的な不安があることでDINKs婚を希望する人も増えています。
マッチングアプリや婚活アプリであれば月に数千円、街コンや婚活パーティーへの参加であれば1回あたり数千円程度、結婚相談所を活用する場合は、初期費用として数万円~数十万円が必要になり、加えて月会費として数千円~数万円、成婚料などがかかります。
Written by 早紀