みなさんにとって「頭のよさ」とは何ですか?
筆者は「頭のよさ」とは何なのか、どんな人を「頭がいい」というのか、それこそ数年にわたりずっと考えてきました。
いくら知能が高くても、人から嫌われて孤独に生きる人を「頭がいい」とは思いませんし、いくら物事を合理的に処理できても、ストレスだらけで心身ともに消耗しきっている人を「頭がいい」とは思いませんよね。
今回は「頭がいい人とはどんな人なのか」をテーマに、彼らが行っている5つの習慣を紹介します。
はじめに、筆者が長らく考察してきて最終的にたどり着いた「頭がいい人」の定義をお話します。
結論から言うと、頭がいい人とは「幸せな人」です。
重要なのは「幸せそうに見える人」や「幸せを装っている人」ではなく、本当に心の底から幸せな人であるということです。
「できるだけ幸福に生きたい」というのが、大半の人の本音でしょう。
しかし、幸福に生きるには、実は意外とさまざまな要素が必要です。
たとえばコミュニケーション能力、協調性、創造性、教養、知識、アイデア、基礎学力、安全な環境、勇気……などです。
頭がいい人は、これらをバランスよく獲得するために時間や労力、知恵を使います。
一方、不器用な人は勉強一筋だったり仕事一筋だったり恋愛一筋だったりと、居心地の良いかたよった分野に依存する傾向があります。
世の中には努力で解消できない問題もありますが、幸せになるためには多少なりとも努力が必要なのもまた現実。
さて、これを踏まえて、頭のいい人たちがどういう習慣を持っているのかを紹介します。
それでは、頭がいい人がこっそりやっている5つの習慣を紹介します。
ちなみにこれは、筆者が身近で「この人は頭がいいな」と思った数名の人物がモデルです。
頭がいい人の大半がやっていること、その筆頭がこの「自己分析」です。
専門的には「セルフリフレクション」といい、自分の考えや感情、行動を振り返り、自己理解を深めることを指します。
特に大切なのが、不都合な現実と直面したときです。
具体的には、自分の中に「怒り」「悲しみ」「妬み」といったネガティブな感情が生まれたときこそ、積極的に自己分析をして自分自身と向き合うのです。
こうすることで感情をコントロールする能力を磨くだけでなく、物事をフラットかつ公正に観察する習慣が身につきます。
人間関係やビジネス、有事の際の突発的な判断など、人生のあらゆる面で有用なスキルです。
自己分析とセットでやりたいのが、感情管理です。「マインドフルネス」とも言います。
自分の感情を客観的に観察し、適切に対応するための心理的スキルで、ストレス管理やメンタルヘルス向上などに活用されています。
人間は意外と、感情によって、いとも簡単に判断を誤る弱い生き物です。ですから、物事を適切に判断するには、まず自分の感情をコントロールできないと話になりません。
頭がいい人たちは、とにかくこれを徹底して行っています。時には必要に応じて、あえて感情的に振る舞って見せるということすらします。
物事を鵜呑みにせず、多角的な視点で論理的に考える能力です。「クリティカルシンキング」ともいいます 。
たとえば「社内で評判の悪いAさんが不正をした」という噂を聞いて、「やっぱり!そういう人だと思った!」と即座に反応する人と、「その噂の根拠が提示されるまでは評価しがたい」と反応する人とでは、後者が典型的なクリティカルシンキングです。
この能力を身につけるには、感情に流されず、客観的な根拠に基づいて判断する訓練を積む必要があります。
つまり「自己分析」や「感情管理」と並行して訓練して、はじめて身につくスキルです。
自己コントロールとは、自分の感情、思考、行動を調整し、望ましい結果を得るための能力です。
「我慢」がその第一歩です。
我慢とは、つまり「自己制御」ですが、自己コントロールは自己制御より広い概念で、感情やモチベーションの管理も含まれます。
「我慢」のように欲望を抑えたり感情を抑制したりするだけでなく、自分で士気を高めたり、感情を適切な形で盛り上げたりする能力まで含みます。
感情や欲望、生態反射は、ある意味で人間の足枷です。その足枷をできるだけ柔軟にコントロールできると選択肢が増えますから、より幸せに近づきやすくなります。
最後に紹介するのは、「挑戦」です。
頭のいい人たちは、とにかく挑戦したがります。そして、失敗を恐れません。なぜなら、失敗にこそ成長課題や発見がたくさん詰まっていることを知っているからです。
また、自分の得意分野だけに留まるような保守的な姿勢でもなく、多角的な視点で物事を観察したがるのも特徴です。
頭がいい人ほど得意分野以外の知識を取り入れ、柔軟な思考力を身につけています。
こうして見てみると、頭のいい人は常に自分自身と向き合い、自分自身と闘っています。
だからこそ、物事の価値観を他人に預けることなく、自分自身で考え、答えを出すことができるのです。
自分の弱さや短所、欠点と向き合うのは、確かに骨の折れる作業かもしれません。痛みを伴うので目を背けたがる人も多いはずです。
しかし、自分自身と向き合うことで、他人ともより深く向き合えるようになり、最終的に得られるものが多くなることを、頭のいい人たちは知っているようです。
ぜひ皆さんも、本記事で参考した5つの習慣を意識しながら、日々を過ごしてみてください。
Written by はるお