世の中には夫婦喧嘩をする夫婦と、しない夫婦がいます。
筆者自身も、若い頃に付き合っていたとある女性とは会うたびに喧嘩をしていたものの、結婚生活10年超の妻とは一度も喧嘩をしたことがありません。
筆者自身が人間的に成長したわけでなく、これは単なる相性のように感じます。
周りを見回しても、喧嘩をする夫婦には喧嘩をする夫婦なりの、喧嘩をしない夫婦には喧嘩をしない夫婦なりの特徴や共通点があります。
今回は、さまざまな夫婦を観察してきた筆者が、夫婦喧嘩の乗り越え方を男女別にご提案します。
喧嘩をしない夫婦の共通点についても触れるので、夫婦喧嘩で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
まずは男性側の目線で、夫婦喧嘩の乗り越え方をご紹介します。
相手の女性がまともな人であれば、たいていの場合はレディーファーストの精神でこちらから折れたり、譲歩したりすることで丸く収まります。
最初は意地を張っていた女性も、こちらが自分の非を認めることで、冷静さを取り戻してもらえるパターンが多いのです。
基本的に女性は、男性のように攻撃的だったり高圧的だったり支配的だったりする人が少ないので、男性側さえ冷静であれば、最終的には話し合いで問題を解決できるケースがほとんどでしょう。
しかし、お相手が異常に感情的だったり、処罰欲求が強かったり、情緒的に不安定だったりすると少し厄介です。
そういった場合は、こちらから譲歩することでむしろ鬼の首をとったかのように非難される可能性があるからです。
このように何らかの問題を抱えていることが原因で夫婦喧嘩がエスカレートしてしまう場合は、自分たちだけで何とかしようとするのではなく、両親や義両親、あるいは家族ぐるみで交流のある友人など、第三者に取り持ってもらうのがいいでしょう。
「男は女の涙に弱い」と言われていたのも今や昔。令和の現代において、涙を流して感情的に主張する女性は、むしろ敬遠されがちです。
パートナーの男性と喧嘩になってしまったら、まずは冷静でいることを心掛けましょう。
そして、自分のいけなかったところを客観的に振り返り、いけなかったところについては素直に謝罪するのがおすすめです。
ここでもしお相手の男性があなたと同じように、自分の非を認めて謝ってくれたなら、お二人は誠実な態度でトラブルを解消できるすばらしい相性である可能性が高そうです。
しかし、理屈や物事の道理を無視し、ただ感情的に反発してきたり、威厳を守るために力であなたを威圧してきたりしたならかなり問題です。
もしDVなどの懸念があるなら、信頼できる身近な人に相談したり、場合によっては相談窓口に問い合わせたりするといいでしょう。
夫婦喧嘩が起こる主な原因は、「承認欲求」と「処罰欲求」の二つです。
承認欲求とは、たとえば「自分の正しさを証明したい」「自分が間違っていないことを相手に理解してほしい」といった欲求です。
一方、処罰欲求は「自分にこんな仕打ちをした相手を懲らしめたい」「間違ったことを主張している相手に謝ってほしい」といった欲求です。
いずれも欲求や感情のコントロールが苦手な人からすると、克服が難しい課題かもしれません。
しかし、夫婦関係はお互いに感情をコントロールし、相手に敬意を払い、良好なコミュニケーションを交わすことで発展していきます。
つまり「我欲の克服」は、夫婦関係を発展させるために欠かせない要素なのです。
夫婦喧嘩になったときは自分の感情や欲求をとりあえず横に置いておいて、冷静に状況を分析しましょう。
問題の解消がどうしても難しい場合は、夫婦カウンセリングを受けてみるのもおすすめです。
ここまでお読みになった方なら既にお気付きでしょう。夫婦喧嘩をしない夫婦の共通点は、「お互いに処罰しようとしない」ということです。
つまり「お互い感情や欲求に囚われない」ということ。
「相手を処罰したい」という欲求がないため、感情的になる必要もありません。
夫婦の間ですれ違いや誤解が生まれても、揺るぎない信頼関係があるのでお互いに相手を疑いませんし、むしろそうした状況を「夫婦の精度を高めるためのチャンス」とすら考えます。
相手に対して不信感があったり敵対心があったりすると、問題が起こったときに処罰欲求や承認欲求が生まれやすくなります。
そうした醜い感情が生まれないようにするには、パートナーとしてしっかり向き合い、揺るぎない信頼関係を築くしかありません。
夫婦喧嘩をしない素敵な夫婦を目指すなら、まずは「喧嘩をしたときに冷静に話し合うこと」が習慣づけられるよう意識するのがおすすめです。
夫婦喧嘩はしないのが一番かもしれませんが、いずれにせよ「腹を割って本音で話し合える関係」はとても大切です。
仮にそれが「夫婦喧嘩」を介してであっても、本音をぶつけ合える機会があるのはすばらしいこと。
ただし、リングの上の試合のように、喧嘩が終わったあとはノーサイドでお互いにたたえ合い、日ごろの感謝の気持ちを伝えるのも忘れないでくださいね。
Written by はるお