結婚と出産は、人生においての一大イベントといえるでしょう。かつては結婚して出産するという流れが一般的でしたが、近年は「デキ婚」するカップルもめずらしくありません。
あなたの身近なところにも、デキ婚カップルが存在するのではないでしょうか。
当記事では、デキ婚したカップルがどれくらいの割合でいるのか、周囲の人の意見や心理などを紹介します。
デキ婚とは、またの名を「できちゃった婚」「授かり婚」「おめでた婚」とも呼ばれる、妊娠を機に結婚することをいいます。
主に予期せぬ妊娠をきっかけに結婚を決めることから、元々はデキ婚やできちゃった婚と呼ばれるのが一般的でした。
しかしこれらの言葉にはネガティブな印象が含まれるためか、昨今では、よりおめでたい印象を持たせる言葉が普及しています。
厚生労働省の「令和3年度『出生に関する統計』の概況」によると、2019(令和元)年において妊娠期間より結婚期間が短い出生は、第1子出生全体の18.4%を占めています。
これは、約5人に1人の割合でデキ婚をしていることを意味しています。
こうした背景を受け、デキ婚向けの「マタニティプラン」を用意している結婚式場も少なくありません。
お腹をしめつけないマタニティドレスや、妊婦でも食べやすい料理を揃えるなど、うれしいサービスが揃っているようです。
また母親の年齢別で見たデキ婚の割合は、15~19歳が約80%、20~24歳が約60%、25~29歳が約20%、30歳以上で約10%となり、年齢が若いほどデキ婚する確率が高くなっています。
上述の調査によると、デキ婚の割合は2002(平成14)年の27.9%をピークに減少傾向にあります。
とはいえ、近年でも約2割がデキ婚であること、芸能界などでも妊娠を機に結婚を発表するケースは少なくないことから、そうめずらしくないものととらえる人が増えてきているはずです。
デキ婚やできちゃった婚と呼ばれていたのが、授かり婚やおめでた婚と呼ばれるようになってきたように、デキ婚に対する印象は徐々にポジティブな方向にシフトしてきているといえるでしょう。
とはいえ、いまだデキ婚に対して良くない、ネガティブな印象を持つ人がいるのも事実です。
デキ婚を受け入れられない人の心理で、代表的なものを紹介します。
とくに年配の人の場合は、「結婚→妊娠→出産」という順番でライフステージが移り変わるのが当たり前とされていた時代に生きていました。
そのため、妊娠が先だと「順番が逆じゃないか!」と抵抗感を抱く場合があります。
しかし今は、結婚や妊娠に対する価値観も多様化してきています。
しっかりと夫婦で協力して子育てをし、幸せな家庭を築くことで、こうした周囲からの厳しい声はおさまっていくはずです。
当の2人であっても予期していなかった妊娠となれば、「計画性がない」と指摘されることもあるでしょう。
仕事の面で周囲に負担をかけることもあるでしょうし、若いカップルの場合はどちらかもしくは両方が学生というケースもあるでしょう。
妊娠や結婚は2人の間のことですが、だからといって周囲とまったく関わりがないことかといえば、そうでもありません。
周りに大なり小なり影響を及ぼすことですから、人によってはネガティブな印象を持つ場合もあるでしょう。
デキ婚したカップルは離婚しやすい、というイメージがありますが、実際のところはどうでしょうか。
離婚率については、若くして結婚したカップルの方が離婚しやすい傾向にあると言われています。
そしてデキ婚するのは、若いカップルの方が圧倒的に多いです。
つまり、「若いカップル→デキ婚→離婚しやすい」とつながるわけです。
とはいえ、若いカップルもしくはデキ婚したカップルのすべてが離婚するわけではありません。
「自分たちは違う」と周囲から理解を得られるよう、2人で協力して温かい家庭をつくっていくことが大切です。
デキ婚に対する印象は、時代の流れとともに変化しています。
以前はネガティブな印象が強かったかもしれませんが、近年では「順番はどうあれ、おめでたいこと」という方向にシフトしてきているのです。
結婚と妊娠、そして出産と、デキ婚はおめでたいことが二重三重にやってくるというメリットがあります。
一方で、良く思わない人もいるでしょう。離婚率が高いことは事実ですし、新婚生活をすっ飛ばしてバタバタの子育てが始まってしまう、もったいなさもあります。
メリットもあれば、デメリットも確かにあるのです。
しかし順番が逆になったからといって、命を授かることの尊さが目減りするわけでは決してありません。
夫婦で協力して家庭を築いていければ、順番が後でも先でもそう大きな問題にはならないはずですよ。
Written by 七尾なお