片思い中の彼に避けられている気がする。これって好き避けなのかしら? そんな風に思う女性はいませんか。
そもそも好き避けって?
好き避けする人ってどんな人?
彼のあの行動は好き避けなの?
そんな素朴な疑問にお答えするべく、好き避けについていろいろ調べてみました。
「好き避け(すきさけ)」という言葉を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。
これは、恋をしている人にありがちな心理状態と行動のうちの一つです。今回はこの「好き避け」について見ていきましょう。
まずは、「そもそも、好き避けってどんなこと?」という点から見ていきましょう。
これは、「その人に好意を持っているからこそ、その人を避けてしまう行動」を指します。通常、好意を持った相手に対しては「距離を縮めたい」「もっと近くにいたい」「傍にいて、私のことを知ってほしい」という気持ちを抱きます。
しかし、このような心の動きとは逆に「相手から離れよう」という気持ちが出てしまう人もいるのです。
自分も相手を憎からず思っているというとき、相手が自分を避けていると、どうしても傷ついてしまいますよね。
「前までは仲が良かったのに、私は嫌われてしまったのかな?」と不安になる人もいるかもしれません。
しかしこれは、恋する人の複雑な気持ちが反映された結果なのです。精神科医として多くの書物を発行しているゆうきゆう氏が、100人の男性を対象にとったアンケートがあります。
これの設問事項にあったのが、「気になっている人が職場にいるとき、ついその人にそっけなくしてしまったり、避けてしまったりしたことはありますか?」という項目。
つまり、「好き避けをしたことがあるかどうか」のアンケートでした。この結果で、「好き避けをした」と答えた人の割合は、なんと32,9パーセントでした。
これを多いとみるか、少ないとみるかは人によって異なるとは思われますが、「好きならば近づきたいと思うはず、逃げたり無視したりするはずがない」と思っていた人にとっては、衝撃的とも言えるほど多い数字なのではないでしょうか。
なかには「小学生ならともかく、大人がこんな感覚を抱くなんて!」と思った人もいるかもしれません。
また、これはあくまで、「自分は好き避けをしたことがある」と自覚をしている人の割合です。このため、無意識的に好き避けをしていた、という人を含めると、この数字はもっと大きくなると予想されます。
3人に1人程度の割合で「好き避けをしている」という結果になりましたが、これはいったいなぜなのでしょうか?
出展:マイナビウーマン「好き避けは「職場」で多い? 態度でわかる「好き避けと嫌い避けのちがい」
では、このような「好き避け」はいったいなぜ起こるのでしょうか。それについて見ていきましょう。
ここには「男性としての心理」と、「働く人間としての心理」が絡み合っています。好きな人につれなくされたり、フラれたりすると、だれでも確実に傷つきます。
これは、ある程度年を重ねた男性でも同じです。フラれるのが怖い、距離をとられるのが怖いため、わざと相手を避けてしまう男性は、決して少なくはありません。
また、詳しくは後述しますが「自分に自信がないから、つい好き避けをしてしまう」という人もいます。
相手から見る自分はきっと魅力のないものであるだろうと考えてしまい、「相手に近づく」というラインを超えることができないのです。
また、「職場」ならではの問題もあります。
一般的な出会いとは異なり、職場でできた人間関係は、「ふられたから会社を辞めよう、気まずくなったから部署を変えよう」というようなかたちでリセットできるものではありません。
その恋がうまくいこうがうまくいかなかろうが、人間関係は続いていきます。そのため、不用意に近づいてうまくいかなかったときの気まずさを不安に思い、踏み出せない男性も多いのです。
また、「周囲の目が気になる」という人もいます。
今からはるか昔、「恋すてふ 我が名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思いそめしか(壬生忠見/「(あの人は)恋をしている」という噂が、もう(周りで)立ってしまった。だれにも知られないようにと、ひっそりと思い始めたばかりの思いであったのに)」と歌われていましたが、これは現在でも変わらないようです。
職場での恋であるため、周りからひそひそと噂されたり、注目されたりすれば、それが応援するものであれ好意的とは言い難いものであれ、仕事がしにくくなるのは必至。
そのため自分の気持ちを気付かせないために、あえて好き避けという行動に出る人もいます。
ただ、もちろん、すべての男性が好き避けという行動に出るわけではありません。
好き避けをしやすいタイプ、というものもあります。
それについて見ていきましょう。
【シャイで女性慣れをしていない】
「恋愛経験が多いこと」がそのまま、「恋愛上手であること」とイコールなわけではありません。女性経験が豊富であってもシャイな人や恋愛下手な人もいます。また逆に、恋愛経験がほとんどなくても、スマートで大胆な人もいます。
ただ、一般的に、恋愛経験が少ない人は、恋愛をうまく進めることができません。
特に、「高校からずっと理系の職場で、女性と接すること自体が少なかった」という人の場合、女性をどう扱っていいのか、どう接していいのかわからず、ついつい距離をとってしまうことがあります。
ただ、このように奥手なタイプの男性は、誠実であることも多く、恋人になったら大切にしてくれる人が多いのもたしかです。恋愛経験の少なさからくる「好き避け」を克服すれば、お互い幸せになれる可能性が高そうですね。
【自分に自信があり、プライドが高い】
自分自身に自信があり、プライドが高い人もなかなか一歩踏み出すことができません。
仕事が非常にできて、とても優秀な男性というのは、「仕事ができる自分」に自信を持っていることでしょう。
この「自信」はもちろんその人の人生にハリをもたらしてくれるものでもありますが、「自分が好きになるのではなく、相手に好きにならせること」に意味を見出すケースもあります。
「惚れた方が負け」というのは昔からよく言われている話ですが、このような価値観を持っている場合、意図して好き避けという行動に出てしまいます。
相手に対してなかなか素直になれず、好きになった女性のことも、そして彼女を好きな自分自身のことも認めるのが難しいという人もいます。
相手に対して好意的な言葉をかけたりほめたりといったことが苦手で、「心のなかではきちんと思っているのに、態度に出せない」という人もいます。
シャイで女性経験が少ない人とは別ベクトルでの不器用さを持つ彼らは、自分の心を隠し通そうともします。
この結果、好き避けが起きてしまう可能性があるのです。
【まじめで冷静な人である】
とてもまじめで、物事に対して冷静であろうと心がける人は、恋心を含めて、感情的なものに振り回されることを好みません。
「自分自身の感情に振り回されることにも疲れるので、物事をできるだけフラットに見るように心がけている。この方が社会人としてやっていきやすいし」と言っている人も、実際にいます。
また、このようなタイプの人は、いわゆる「チャラい人」に対して抵抗感を覚えることもあります。何をもって「チャラい」とするかは人によって異なりますが、恋愛に振り回されたり、女性のご機嫌をとることに一生懸命になったり、将来に繋がらない恋を楽しんだりすることに対して、否定的な姿勢を持つ人も多いのです。
「恋をすること=チャラいこと」では決してないのですが、「自分もあんな風になる/あんな風に見えそうだ」という抵抗感は、そのまま、それを忌避するための好き避けとしてアラッわれてきます。
【自分に自信がない】
プライドの高さが好き避けをもたらすこともありますが、逆に、「自分に自信がないこと」が好き避けを招くこともあります。
上でも少しお話しましたが、自分に自信がないと、「相手から見た自分は、とてもではないが魅力的とは言えないだろう。だから、彼女は高嶺の花なのだ」と考えてしまい、声をかけることに躊躇することもあります。
また、人にとっては、「自分なんかに話しかけられたら、あの人も迷惑だろう」というところにまで至ってしまうこともあります。
この「自信のなさからくる好き避け」が厄介なのは、「その人自身の能力は劣っておらず、むしろ優れている方であるにも関わらず、自分自身に自信が持てない」ということもある点です。
自信を持っていない人=無能な人というわけではなく、他己評価は高いのに自己評価だけが低い……ということもあり得ます。
【幼馴染、昔からの友だち】
今まで紹介したものは、基本的にはその男性の「性格」に起因するところが多いものです。
しかし、好き避けが起こるのはこのような「性格」の問題だけではありません。
2人の関係性から、好き避けに繋がることもあるのです。
よく、「近くに居過ぎた人は恋愛対象として見られない」という言葉を聞きますよね。家族的な関係になってしまい、男女のなかであっても、恋愛に発展しにくくなるという事象を端的に表した言葉です。
長く付き合っている幼馴染や、趣味の友だちあるいはプライベートでも一緒に遊ぶ仕事の同僚、というかたちで関係が続いている場合、そこに、「恋愛感情」を入れることをためらう人は決して少なくはありません。
今まで恋愛対象として見ていなかった相手に恋をしたということで戸惑いもあるでしょう。
また、上でも挙げたように、好き避けが起こる理由の1つとして「気まずくなりたくない」というものがあります。
今まで、幼馴染・友人・プライベートでも仲がよい同僚としてすごしてきた相手であるならば、恋愛感情を抱く前も楽しく過ごしていたはず。そこに恋愛感情が混ざってしまうことで、相手と気まずくなりたくないという気持ちも働きます。
ここまでは、好き避けをする心理について見てきました。
では、この「好き避け」は、実際にはどのような行動を伴うのでしょうか。
小学生のようで少し可愛い、と思う人もいるかもしれませんが、「無視」は好き避けの行動の代表例です。
「好きであるからこそ、丁寧で的確でスマートに答えたいのに、どんな言葉を返していいのかわからない」
「単純に恥ずかしい」
「自分に自信がないから、相手が自分を対象に何かを聞いてくるなんて思っていなかった。回答権が自分にあるなんて思ってもいなかった」
などのようなケースが考えられる行動です。
「目が合うこと」は、多くの場合、相手の好意をはかるための指針となり得ます。
ただ、相手を意識していると、逆に不自然なほど目が合わなくなってしまうこともあります。
好きな人が眩しすぎて直視することができなくなった、という経験をしたことのある人もいるのではないでしょうか。
恋をしているときに起きるドキドキとした胸の高鳴りが瞳孔を開き、相手を眩しく見せるというのは、日本感性工学会論文誌によっても発表された事実です。
相手が眩しすぎて直視できずに目を合わせることができない、ということにも繋がる話ですね。
また、「あまり見ていると、好きであることがばれてしまうから」という理由で目をそらす人もいます。
上では「恋すてふ」の歌を取り上げましたが、「恋をしていること」がバレるのは、特に職場ではあまり好ましくないもの。また、単純に、「プライベートなことなので、職場では話したくない・話すべきではない」と思っている人もいます。
そのため、わざと「興味がない」と人に対して言うこともあります。ただ、「ただの職場の同僚」ならば、そもそも、「興味がない」とわざわざ公言すること自体がちょっと不自然ですよね。
恋をしているときは、ちょっとしたことにも動揺してしまうもの。そのため、挙動不審になったり、場合によっては逃げられたりすることすらもあります。
あなたの言動がかわいくてどうしたらいいかわからなかったり、思いがけず急接近したりして動揺してしまったりすることが、このような行動に繋がります。
「好き避けする男性のタイプ」はすでにお話してきましたが、では、「好き避けをされやすい女性」というのはどのようなタイプなのでしょうか。
常に元気で、周りに対して気遣いができ、目を配っている女性というのは、非常に魅力的なものです。このような女性は、男性にも女性にも、とてもモテます。その気づかいが自然であればあるほど、さらに好感度は上がることでしょう。
ただ、このような女性は、あまるにも眩しすぎて、シャイな男性などはちょっと声をかけることに躊躇ってしまうのも事実です。
「彼女には自分よりももっと良い相手がいるだろう」
「眩しすぎて声をかけることをためらってしまう」
「彼女はとても優しいけれど、その優しさをもらったときにうぬぼれると、後でふられたときが怖い」
というような心境です。
「がんばっている人」というのは、それだけでとてもきれいです。女性でも男性でも、努力をしている人はとても美しく見えます。真面目に、一心に、打算なく仕事に打ち込む姿勢は、多くの人の心を打つことでしょう。そのがんばりに、思わず手を差し伸べたくなる人も多いのではないでしょうか。
「放っておけないがんばり屋さん」に対しては、だれもが好意を抱きます。
ただ、「自分が行う『手伝い』や『指導』が、職場の仲間としてのそれを逸脱していないか不安。もし逸脱していたら、周りの人にもばれてしまうかも」と感じてしまう男性もいることでしょう。
「元気な癒し系」に対しての好き避けとは少し方向性が異なりますが、このようなことに悩む人も、少なくはないのではないでしょうか。
「好き避け」は、言ってみれば、恋の一過程です。ちょっとじれったくはありますが、同時に、恋の楽しみを私たちにもたらすものでもあります。
しかし、残酷なようではありますが、実は「本気であなたを避けている状態」であるにも関わらず、あなたが「好き避けだ」と思い込んでいるケースもないわけではありません。
好き避けと本気避け(「嫌い避け」とも言います)の違いについて見ていきましょう。
好き避けか本気避けか迷ったら、常識的な範囲で、少しクールな態度をとってみるのもいいかもしれません。
好き避けの場合、その行動に一貫性がない、という特徴があります。人前ではクールに振舞っていたりクールな態度をとっていたりするのに、好意的な態度で接してくることがある……といったものです。
もしあなたが異性と話していたときにやきもちを焼いていたり、あなたのクールな態度に動揺していたりするようであれば、好き避けの可能性は高いと言えるでしょう。
ただ、職場でのこのような態度は、仕事に支障をきたす可能性も0ではありません。また、相手の心をはかろうとこのような態度をとったとき、相手がそれを本心と思い込み恋が冷めてしまうことも。
かなりリスキーなやり方でもあるので、行動は慎重に行いたいものです。
「視線をそらしがちになる」というのは、好き避けでよくあることです。ただ、これにも見極め方があると言われています。
「不快なものを見てしまう心理」というのは、だれにでもあります。
ただ、人間はできれば好意的なものを見ていたいもの。
あなたが彼を見つめた時に目が合い、その後に彼がきょろきょろとおちつきなく視線を動かしたのなら、これは好き避けの可能性が高いと思われます。
逆に、「自分はじーっと見つめているが、そもそも視線が合わない」という場合は、本気避けの可能性が高まるでしょう。「あなたと目が合ったことで恥ずかしくなって視線を逸らすこと」は好き避けにありがちなことではあります。ただ、「じーっと見ていても、目がそもそも合わない」ということであれば、相手はあなたを見たくない(あるいはまったく意識していない)という可能性が高くなります。
もっとも、たとえ目があったとしても、安心することはできません。
人間は他者からじっと見つめられれば当然そちらの方に意識を向けます。
「あなたのことを意識していなかったけれど、あなたがこちらを見ていることに気づいて目をあげた。でも、あまり見ていたくない人だから、すぐに視線をそらした」という可能性も0ではありません。
相手が恋愛慣れしていない人である場合は、特にこの方法が有用でしょう。
「何を話したらいいかわからないから、つい好き避けをしてしまっている」という男性にとっては、あなたから話しかけられること自体が、大きな喜びに繋がるものです。
好き避けをしている人で、「自分のコミュニケーション能力に自信がなく、かつ実際にそうである人」や、「そもそも女性と話すことにまったく慣れていない人」の場合、あなたが話しかけても、会話のキャッチボールがうまくいかないことがあります。
これは、女性対女性の場合でもあまり変わらないでしょう。人見知りな人や、コミュニケーション能力があまり高くない人の場合、会話の接ぎ穂(つぎほ)を失って、あいづちくらいしか返せなくなってしまうこともあります。
ただ、そのように不器用ななかでも、なんとか会話をつなげようと努力してくる人というのは、「本気避け」ではなく、「好き避け」である可能性が高いと言えるでしょう。
天気の話をしていてそれがひと段落して、それでも別の会話を(たとえそれがあまり関係のないものであっても)振ってこようとする人は、「あなたとの会話を続けたい」と考えているのです。
また、あなたが言ったちょっとしたことに反応し、それを一生懸命調べてくれるようならば、好き避けの可能性は非常に高くなります。少なくとも、悪い感情は抱かれていません。人間は、自分が嫌いな相手のために時間を割くことは基本的にはないからです。
「昔読んだ本のタイトルを忘れちゃって。こういうあらすじなんですけど」などのような話をして、後日その人がそれを調べてきてくれた、ということであれば、本気避けではなく、好き避けであると考えていいかもしれません。
好き避けと本気避けの区別は、なかなかつけにくいもの。
ただ、1つだけでなく、複数の方法を組み合わせることで、「判断精度」はあがります。
社会人として、大人としての領分を守りつつ、ちょっと試してみてはいかがでしょうか。
人はみんな、心のなかに小さな子どもの頃の自分を持っているもの。好き避けもまた、そういう心の現れかもしれません。恋をすることに関しては、どれだけ年を重ねても、「臆病さ」「不安さ」「我儘さ」「察してほしいという心」が残るものです。
好き避けをされている状態、ましてやそれが本気避けかどうかわからない状況では、もどかしいし不安なことも多いものですよね。
しかしその「不安な気持ち」は、相手も持っているものです。むしろ、好き避けの場合は、相手の方がもっと大きい「不安な気持ち」を抱えていると言えるかもしれません。
好き避けさんとの恋を成就させるためには、受け身のままではいけません。
ある程度自分も積極的になり、話しかけたり、目を合わせたり、アプローチしたりといったことを続けましょう。
愛は1人で育てるものではない、と言われていますが、好き避けを伴う恋を成就させるのもまた、2人の力なのです。
〈参考元〉
【ご注意!】好きなものを見ると瞳孔が開くというのは誤り|心理士村田の;実用心理学 マインドコントロール・洗脳
http://blog.livedoor.jp/murayoshi25251/archives/71788348.html
男性にありがちな「好き避け」パターン 態度に一貫性がない|PEACHY
http://news.livedoor.com/article/detail/12951062/
好きな人から避けられる!? その理由ってなに?|Pairs
https://www.pairs.lv/3341
好き避けは「職場」で多い? 態度でわかる「好き避けと嫌い避けのちがい」|マイナビウーマン
https://woman.mynavi.jp/article/170525-65/
Written by 鍋谷萌子