胸がキュンとする話を聞くと、女性は乙女心を刺激されます。実年齢がいくつであっても、中高生のような恋愛観を蘇らせて、純粋に初々しい気持ちで人を好きになりたいと思うでしょう。
けれど、胸キュンを「子供っぽい」と、受け付けない女性もいるようです。30代に突入すると特に、切ない恋のエピソードをキャピキャピと騒ぎ立てることを恥ずかしく思うかもしれません。
まあ、確かに、三十路女性が少女マンガを読んで「キュン死にしそう!」と目を輝かせるのは、傍から見ればちょっと痛いですが……。
それでも、胸キュンは、しないよりしたほうが良いようです。根拠はちゃんとあって、素直に切ないドキドキを堪能することで、女っぷりが上がるんですよ。
恋っていいな……とか。好きな人への想いが高まってドキドキする……など。切ない想いが湧き上がり、胸がキュンキュンするとき、女性の脳内では何が起きているんでしょうか?
実は、脳内ホルモン濃度が上昇して、女性らしさを向上させる、エストロゲンがさかんに分泌されているのです。
エストロゲンが増えると、肌がプリプリして髪艶が良くなり、胸のふくらみがよりふっくらしたり、お尻の弾力が増したりします。
また、自律神経を整える作用もあるため、精神的に余裕が生まれ、表情や言動に上品さ、優雅さが現れるでしょう。
そして、エストロゲンは恋をした時に分泌量が増えるのですが、「胸キュン」はつまり、脳を擬似恋愛状態にして、女性の美を引き出す役割があるのです。
好きな人ができると、「なんか雰囲気が変わった」と周囲から言われるものです。
それは、意識するにしても、しないにしても、外見や振る舞いを良くして、好きな人から好意的に見られたいという願望の表れでしょう。
あるいは、恋愛をすることでテンションが高まり、自然とキビキビした行動を見せるようになるとか、笑顔が増えるなどの変化が出てくるはずです。
胸キュンは実際に好きな人がいなくても、擬似恋愛状態を作れるものなので、恋愛小説を読んだり、映画を観たりすることで、内から美しさ・明るさがにじみ出てきます。特に、表情や話し方は柔和に変化するようです。
最近は少女漫画が映画化されることが多いですが、青春時代の恋を描いたラブストーリーに対して、素直にのめり込めないアラサー女性もいるでしょう。心の中で「いいなぁ。ああいう恋したいな」なんて思っていても、年甲斐もなく浮かれちゃう自分をどうしても恥じてしまうのです。
でも、それって非常にもったいないこと! 女性らしさを引き出すエストロゲンの分泌を、自ら抑制するなんて、マイナス要素しかありません。現時点では好きな人がいないにせよ、エストロゲンの分泌で持ち前の魅力をいっそう高められれば、誰かが見初めてくれる可能性だってあります。
「胸キュン、恥ずかしい!」とは思わず、心が感じるままに委ねてみましょう。そうすれば、擬似恋愛を楽しむだけでなく、自分でも意外に感じるような魅力を再発見できるはず。新しい恋を見つけられるかもしれませんよ。
Written by 沙木貴咲