いわゆる「ビビビッ! 」という感覚が走って、好きになったけれど、付き合ってみたら「なんか違うかも? 」と気持ちが萎えるケースがあります。好きになった瞬間は運命の人だと思っても、実は見間違えていることが少なくないのです。
女性は特に、どんな状況で運命の人を見間違えてしまうんでしょうか?
趣味や好みが同じだとか、あるいは誕生日、出身地、家族構成が同じなどという相手には、初対面でも親近感を覚えるはずです。
わかりやすい共通項があるほど、すぐに仲良くなれそうだと感じますし、話をしても通じ合う部分が多いといえます。
しかし、好み、誕生日、出身地といったものが同じ異性は、実は大勢いるのです。
「運命の人」一人だけに限定されるわけではありません。
そして、共通点があるからといって、心がピタリと重なり合うとは限りらないでしょう。
共通点が多いことと、恋人同士や夫婦になって良い関係を長く続けていけることは、イコールにはならないのです。
悲しみや後悔、不満などに包まれてしまうとき、同じような境遇にある人に対して親しみを覚えます。
「同じ経験をしているあなたなら、私の気持ち、わかってくれるよね」と、同意を求めたくなり、協調もしやすいでしょう。
お互いの傷を舐めあうことで安心したり、愚痴を言い合って鬱憤を晴らしたりできますから。
また、そうした状況を居心地良く感じれば、男女はすんなり恋愛関係に発展していくはずです。
でも、不運を脱して物事がうまく運んでいくようになると、「私、なんでこの人と付き合ってるんだろう? 」と疑問を抱き始めます。いわば悲劇のヒロイン・ヒーローとして一緒にいるからこそ、恋が成立するのであって、悲劇という舞台そのものがなくなれば、恋人同士や夫婦でいる必要がなくなってしまうのです。
夢から覚めるように、急に意識がクリアになって、「彼は運命の人じゃない」と察するでしょう。
従順なタイプやMっ気のある男性は、女性の言うなりになることを好みます。
自分で判断するより彼女に大人しく従っているほうがラクだと考えたり、好きな女性に付き従うことに喜びを覚えたりするでしょう。
また、つねに自分を肯定してくれて、言うことを聞いてくれる彼氏に対して、多くの女性は「こんなにものびのびと自由にさせてくれる男性は、運命の人に違いない」と感じるはず。
運命が引き寄せた相手だからこそ、心がいつもピタリと重なるのだし、彼は自分に反対したりしないのだと勘違いしてしまうのです。
けれど、運命の人だから何でも言うことを聞いてくれる、という理屈がそもそもおかしいというか。
イエスマンと一緒にいることが幸せだというわけでもありません。
むしろ、自意識過剰になったり、本当の自分を見失ったりする可能性があるので、不幸になりやすいでしょう。
彼氏が言うことを聞いてくれるほど、自分がワガママで嫌な人間になっていく気がする……と感じれば、付き合っているのがつらくなりますし、運命の人だとも思えなくなります。
運命の人、ソウルメイト、ツインソウル……今どきは色々な呼び方をするようですが、とどのつまりは「一緒にいて学びが多い人物」だといえます。
物事がスムーズに運んだり、行動を共にすればハッと気づかされる点が多かったり、うまくいかないことがあっても諦めずに真摯に向き合おうと思えたりする相手でしょう。
運命の人は、一緒にいてラクな人ではありません。摩擦もあって、努力を促されもする、良きパートナーなのです。
Written by 岡崎咲