アラサーであれば、35歳くらいまでは結婚したいとか、子供が産める年齢までには伴侶を見つけたいと考えますが、アラフォーまで独身で来てしまった場合、無理に『正当な』結婚を求めなくても良いかもしれません。「ヤバイ! 結婚しなくちゃ!」という呪縛から逃れて、もっと自由に家族を探す方法だってあるのです。
また、山口智子さんの赤裸々な主張が最近話題になっていますが、そもそも子供を産むつもりがなく、旦那さんと二人家族を築ければ満足と考える女性も、アラサー期に無理して結婚する必要はないでしょう。30代は仕事に専念してキャリアを積み、十分な立場を固めてからアラフォーに結婚するという方法だってあります。
今回は、30代後半まで独身で居続けた場合の、常識にとらわれない自由な結婚について考えてみたいと思います。
作家、エッセイスト、コメンテーターと多方面で活躍する中村うさぎさんは、ゲイの男性と結婚しています。同性愛者にはバイセクシャルも多いですが、旦那さんは女性をまったく恋愛対象に見られないタイプなんだとか。
つまり、中村うさぎさんと旦那さんとの間に恋愛関係はなく、身体の付き合いもないのです。
お二人はもともと友人同士で、結婚した理由も旦那さんのビザが切れそうになって日本に滞在できなくなりそうだったから、という中村さんらしい破天荒な内容なんですが、17年ほどの結婚生活で旦那さんとの心の絆はしっかりと、かけがえのないものになっているようです。
実際に、中村さんは自分と夫の関係についてこう述べています。「私たちの間には男女の恋愛感情は存在しない。これは事実です。でも、これ不思議なんですけど、いままでの恋愛においては『私はこんなにあなたを愛してる。で、あなたはどうなの』って不安に常に苛まれてきたけど、いまはそれがなく、これまで感じたことのない大きな安心感と、もっと言えば、絆っていうものを強烈に感じているんですよ」と。
また、「私、妙な自信があるんです。彼と私はそもそも恋愛関係がないから、いつかお互いに恋人ができる日が来るかもしれない。でも、そんなことで消滅してしまうような脆弱な関係じゃない、と」と述べるほど、旦那さんを深く信頼なさってもいます。
夫婦には人間同士の愛と信頼があれば良いとするならば、無理に恋愛をしなくても良いんじゃないでしょうか? 男女の愛を越えたパートナーシップという結婚も、アラフォー女性にはアリかもしれません。
筆者の同僚に、子供が嫌いという女性がいます。彼女には彼氏もいますし、結婚願望もあるんですが、「育てられる自信がないから、子供を産みたくない。それよりは仕事を頑張りたい」と言っています。
人の価値観はそれぞれですし、妊娠・出産を望まない女性も世の中には結構いるでしょう。また、そういう人はアラサー期に焦って結婚する必要はまったくなく、自分のペースで人生を歩んでいくのが良いと思います。
家族というと、父親と母親と子供という三人構成を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、夫と妻という二人構成もちゃんとした家族です。周りが何と言おうと、自分が納得するならば、自由に結婚を捉えて良いんじゃないでしょうか?
30代は仕事を頑張りたいと思うなら、やりたいことを追求するのが良いですし、精一杯やり抜けば自分の立場や収入が磐石なものとなるはずです。40代を迎える頃になって、余裕を持ってマイペースに仕事を進められるようになってから、「じゃあ結婚しようかな」というのもアリでしょう。
アラサーにはアラサーの結婚があって、アラフォーにはアラフォーの結婚がある。適齢期とは、必ずしも『20代半ばから35歳くらいまで』ではないと思います。
参考:2000年『週刊宝石』でのインタビュー「偽装結婚ではない!」より
Written by 岡崎咲
Photo by. linh.ngan
Written by 沙木貴咲