別れた方がいいとわかっているのに、別れられない……。そんな迷いを抱えている時、頭の中には「一人になるのが怖い」「次に彼氏ができるかどうか、わからない」という不安が渦巻いているはずです。どんなダメ彼氏であっても、別れて一人きりになるよりは二人でいた方が良いと、どうしても考えてしまうんですね。
確かに、そう思う気持ちは理解できます。
でも、「本当に自分が幸せになれる恋人」は、今彼を手放さない限りやってこないとしたら……どうしますか? それでもダメ彼氏と一緒にいようとするでしょうか?
今回は、別れと出会いの不思議な法則について、お話したいと思います。
たとえば、物がいっぱい詰め込まれた引き出しには、もう何も入りませんよね。何か入れたいと思っても、「ぎゅうぎゅうの状態だからムリ」と、引き出しを開けることすらしないかもしれません。
実は、別れと出会いも同じ。空きスペースがない限り、新しい恋人は訪れようがないのです。たとえ、すでに次の彼氏候補と出会っていたとしても、今彼とお別れしてフリーになっていなければ、その男性は目も向けてくれないでしょう。「素敵な女性だけれど、付き合っている人がもういるのだから、自分が入り込む隙はない」と、最初から諦めてしまうはずです。
あるいは、身近に接する誰もが、ダメ彼だとしても交際は続いていると把握していれば、新しくイイ人を紹介してくれることはないでしょう。「なんだかんだ言って、うまくいってるんじゃない」と、あたたかく見守ろうとするに違いありません。
あなたの隣には(ダメな人であっても)彼氏がいる。
そんな風に『恋人のスペース』が埋まっている以上、本当に結ばれるべき人は入り込めませんし、本当の幸せは手に入らないのです。
別れるしかない! と思うような男性であっても、別れは寂しさと苦しさを与えるものです。決して、手放しで喜ばしいとは思えないでしょう。
だからこそ、別れに躊躇を覚える人は多いのかもしれませんが、人生は山あり谷あり。幸せを手に入れる直前には不幸せが訪れるものだと考えれば、別れに踏み切れない状況でも前向きなスタンスが保てるのでは? 別れに対する恐怖心や迷いが、だいぶ薄れるのではないでしょうか。
それに、行動してみないことには始まらない、という考え方もできます。迷っているだけでは現状が維持されるだけ。いつまで経ってもダメ彼氏に対する不満は尽きないのです。
不満と愚痴があふれる毎日から抜け出したいと思うなら、「今、自分が見ている未来より一歩先の未来」まで見るよう心掛けると良いかもしれません。それまでとは違う見解が生まれるはずです。
今彼から次彼へ、一時的に二股状態を作りながら移行していく器用な女性もいますが、個人的には「それってアリなのかな?」と疑問です。一人になりたくないがためのキープを確保しているだけで、はたして本命彼氏なんだろうか? と考えてしまいます。
というのも、たとえ女性側が本気だとしても、男性側が「彼氏のいる女性を真剣に奪おうとしている」のか疑わしく思うためです。既婚ではないにせよ、略奪愛はなかなかリスクの高い恋愛ですから、そこまで危険をおかす覚悟があるのか。あるいは、男性側もキープ彼女がほしいだけで、それほど真面目に恋していないのか……。どちらかというと、後者のケースが多いのではないかと思います。
別れと出会いのスペースの法則に当てはめると、スペースのないところに無理やり詰め込むというのは不自然です。そもそも無理があるので、そこに真の幸せがあるのかどうかは、微妙に感じます。
別れに躊躇する時は、新しいステキな恋人を受け入れるためのスペースを作る、と前向きに考えてみましょう。思いのほか、状況はガラッと好転するかもしれませんよ。
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