隣の芝生は青く見える……恋愛をしていると、そういうことって結構あります。
彼氏とうまくいっていない時に、女友達からノロケ話をされると、「いいな」と思わずにはいられませんし、同世代の同僚がお金持ちの家の息子と結婚した話を聞くと、悔しさと羨ましさが自然と湧き上がってくるものです。
現状が理想とかけ離れているほど、今の自分を受け入れられなくなって、他人の幸せに便乗してしまいたくなるでしょう。
でも、そんなことをしても、幸せになるのは難しいといえます。胸のうちにふと、『羨望』や『妬ましさ』という感情が浮かんできた時、どうすればいいのかを考えたいと思います。
隣の芝生が青く見える時、人間は嫉妬に翻弄されています。嫉妬心がない人なんていませんが、コントロールが上手にできる人はいます。
また、他人を羨ましく思ったり、妬んだりしない人には、恋上手が多いのです。根拠としては、「私は私。他人は他人」という割り切った考え方ができる点が挙げられます。どんな状況を目の当たりにしても、「所詮、他人事」と冷静にいられるなら、友達の彼氏に横恋慕するとか、嫉妬心から心を乱して誰の目にも明らかなほど不機嫌になるなんてことは、あり得ません。
だから、「いいな」と感じても、自分と他人を比較しないことが大切でしょう。比べるから羨ましくなるので、そもそも比べなければ良いのです。そうすれば、嫉妬心も生まれません。
光があれば、必ず影がありますから、良い面もあれば悪い面もあるのが当たり前。女友達のノロケ話に心を乱しても、実は見えていない部分で「なあんだ、そういうことか」と、白ける要素が絶対にあります。
そして、人が羨むところしかない、なんて恋も結婚もありません。好きな人と心が完全に一つに重なって、つねに意思疎通できるとか、彼が何でも私の言うなりで満足なんて完璧な関係は、あるわけがないのです。
そのため、見えない部分も想像するなら、一方的に嫉妬することもなくなります。やたらと粗探しをするのも品がありませんが、嫉妬心を駆られるような話を聞いたら、頭の中でこっそり「……とはいっても、うまくいかない部分だって、たぶんあるんだろうな」と考えるだけで、心の乱れはかなり抑えられるはずです。
他人が羨ましく想えるということは、つまり自分が不幸だという意味。ですので、嫉妬心を消す一番の方法は、自分が幸せになることです。
そして、「どうせ私なんて……」というネガティブ思考は幸せを遠ざけると思いましょう。彼とちょっとしたケンカをしただけなのに、「どうせうまくいかない」「もっとイイ男はいるはず」と投げやりになれば、幸せのつぼみを自ら摘むと同じ。
多少の工夫や我慢、考え方の切り替えをするだけで、意外に自分は幸せだと気づけるものですから。目を外にばかり向けるのではなく、自身に向けて「今の私は、そんなに不幸じゃない」と自覚しましょう。
幸福はすべての人に平等にやって来るものです。もし、「違う! 私だけ不幸せだ」と言い切るのであれば、それは幸せが巡っても気づいていないだけでしょう。
誰もが幸せになれるのだから、「今は自分の順番じゃない」と考えれば良いのです。そうすれば、嫉妬心に苛まれることもなく、現状を冷静に受け止めることもできるはず。
想像してみてください。大きな駅のホームに、いろいろな電車が順番に衝突しないように乗り入れています。今幸せそうに見えている人は、自分が乗る電車が来て勢いよく出発しているところ。あなたの電車も待っていればすぐに来るので、焦らず待ちましょう。他人の幸福に便乗する必要はありません。
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