ここ数年、草食系男子が増えてきたといわれるのはナゼなのでしょうか。「草食系男子を好きになっちゃって……」なんて相談も少なくありません。

そこで今回は、彼ら草食系男子への取材を元に、『草食系になった理由や、恋愛に対する本音』を探ってみたいと思います！

 

僕が草食系になった理由

草食系男子とは？ をざっくりいうと『自分を主張せず、恋愛にも積極的でない男性』という意味。ここでは特に“恋愛に消極的になった理由”を聞いてみました。

 

【理由①ゲームやSNSなどの普及】

携帯やPC、タブレットの普及と進化で時間と心を注ぐ娯楽が増え、恋愛への欲求が弱まってしまったという例です。

『ゲームが好きで暇なときは1日中しています。スマホとかタブレットとか……そういうので時間が過ぎちゃいますね。気に入った女の子の映像もいくらでもネットで見れるし充分かなって。あまり恋愛への欲求が湧きません。（19才・フリーター）』

『漫画とかゲームの女の子だけで満足してしまっているかもしれないです。疑似恋愛っていうのか、分からないですけど、実際はそんな上手くいかないだろうし、疲れそうだなって思ってしまいます。（20才・学生）』

『Twitterやfacebookでいろんな人と会話するので、わざわざ会ってどうこうが前より億劫になった。SNSでみんなとつながっている安心感があるので寂しさも感じないし、1人の時間を乱されることもない。彼女がいるとそういうことにも制限ができそうな気がする。（24才・派遣社員）』

 

【理由②社会的規制の影響】

昨今は少し前に比べて性犯罪に対して社会が敏感になりました。規制が厳しくなったことで、気軽な発言さえ許されない風潮があります。恐ろしい事件も多いですし、敏感になるのは悪いことではないのですが、この風潮が草食系男子が増えたことに影響を与えているようです。

『会社でつまらないことでセクハラ事件がおきたことがあって、女性と接するときに以前にも増して気を使うようになりました。下手なことをいえないとか、アドレス1つ聞くのも、どう思われるかをいちいち考えると面倒くさくなって……。飲み会でも極力女性とは接しないようにしているうちに、女性に関すること全てに消極的になった気がします。（26才・会社員）』

『電車で痴漢に間違われたんです。OL風の普通の女性でしたけど、本当に何もしていないのに信じてくれなくて、手をつかまれて、駅長室に連れていかれました。駅長も信じてくれず、最終的に長引かせたくなくて謝って終わらせたんですが……女性全般に不信感を持ってしまいました。それ以来、女性と長い時間話すのが苦手になり、避けるようになっています。（21才・アルバイト）』

『会社の部署で指導係をしていたときに、新人にちょっときつめに注意したら、自分の上司に「モラハラされた」と直訴されました。その上司は私をよく分かってくれていたので、そっと教えてくれ、女の子は難しいから気をつけろ、と。もうできれば女性の部下は持ちたくないと思ってしまいました。可愛いなと思う女性がいても、誘ったりするのは恐ろしくなります。そんな気もないのに「エロい」とか「セクハラ」とか言われそうで。（27才・会社員）』

 

【理由③失恋の痛手】

終わった恋を引きずっていたり傷が深くて前に進めないのは、女性も男性も同じです。また「恋愛コスパ」という新語が生まれたほど、恋に「見返り」を求める男性も増えています。「見返り」といっても、心を満たしてくれる恋人の笑顔や、一緒にいるときの癒しなど恋愛における当たり前の喜びだったりするのですが……。

『彼女がいたとき、一生懸命尽くしたんです。毎日毎日連絡もまめにした。バイトの送り迎えもして……。そういうこと全部を最初は彼女も望んでいたのに、ある時から、しばられてて自由がないとしきりに言い出しました。別れたいといわれ、話し合いたくて家にいったり、電話をかけたりするうちに、ストーカー呼ばわりされ……すっかり女性嫌いになりました。あんな辛い思いをする位なら恋愛はしたくない。女性はどんな優しい子でも何かのきっかけで豹変するように思えて、もう近づきたくないです。（21才・専門学校）』

『恋愛はコスパが悪いと思ってしまいます。女の子ってお金がかかるじゃないですか。おごられて当たり前みたいに思ってる子も多いですし、プレゼントだとか、サプライズだとかとにかく経済的に大変。それでも見合うだけの喜びがあればと思いますが、自分の経験ではがっかりさせられることの方が多かった。だったらもっと実りのあることにお金を使いたいです。自分の時間が振り回されて奪われるのも嫌です。（23才・会社員）』

 

【理由④強い女性の存在】

女性の社会進出は今に始まったことではないですが、才能ある女性が身近にいることで萎縮し、自信を無くしてしまう男性は以前より増えました。

『うちの家は、小さい頃から母親と姉の天下でした。母親はキャリアウーマンで父親より収入が多かったんですよね。姉も俺より頭良くていい大学出ました。2人といて女性には引いてしまうくせがついたっていうか……可愛いとか、守るとかいう意識がわいてこないんですよ。結婚しても父親みたいになるのはいやだな、と思うし……。（24才・販売系）』

『上司が年下の女性です。悪い人じゃないですし、本当に仕事もよく出来るので尊敬もしています。が、なんとなく卑屈になってしまったのは否めないです。負けてる意識があるというか、頭のいい女性と話しているとバカにされているような気がしてしまって……（25才・広告代理店）』
 

 

僕たち草食系の恋愛

それでも草食系男子だって誰かを好きになることはあるでしょう。彼らは一体どのような恋愛を望んでいるのでしょうか？ 本音を語ってもらいました。

 

【相手にリードして欲しい】

『好きな子のことはどうしても目で追ってしまうんです。視線があったりして、相手も好意には気づいてると思うから、女の子からお茶とか誘ってくれたら嬉しいです。自分から誘って断られたらと思うと恐くて出来ません。（19才・学生）』

『黙っているといわれるけど、好きな気持ちはあらわしているつもりです。それを汲み取って欲しい。男なんだからそっちから言って、みたいな女の子はいやですね。私は楽しいよってどんどん引っ張ってくれるような子は可愛いと思う。誰でもいいというわけではないですが。（20才・フリーター）』

『デートの場所とか、観る映画とか、決めるのが苦手。どうする？ とか、どっちがいい？ とか聞かれると追い詰められるような気がする。選ばせないで決めてくれたらと思う。それで「私に決めさせた」とか「主体性がない」とか責めないで女性が機嫌良くしてくれたら助かるのだけど。（23才・派遣社員）』

俗に草食系男子はプライドが髙いという説があります。自分から積極的に恋が出来ないのは、プライドが傷つくことを極端に恐れているせいかもしれません。お互い意識していて憎からず思っているなら女の子からさり気なく誘った方が恋への進展はスムーズでしょう。デートのときは、彼の好みも加味しつつ、女の子が決めてあげる。…それでいて「私ばっかり！」とぷんぷんしなければ！……彼らだって好きな女の子との時間を楽しんではいるのです。

 

【マイペースが望ましい】

『リズムやペースを崩されたくない。女の人には振り回されるというイメージがあるので、合わせてくれる人となら付き合いたい。たとえば自分がパソコンなどやっているときは、黙って彼女も自分のことをして過ごしてくれるとか。休みだからといって、必ず会いたいとか、どこか連れていってとかいわれると疲れてしまいます。彼女が出来たからといって自分の世界が変わってしまうのが嫌。おおげさと思うかもしれないけど、大切な時間が奪われるくらいなら1人の方がいいと思ってしまう。（24才・会社員）』

『お金のかかるデートがいやなんです。女性と交際するとすごくお金を使ってしまうというのが勿体なく思ってしまいます。それぐらい価値があるのならいいですけど、基本女性って彼氏ならお金を使って当たり前みたいな所があるじゃないですか。兄の彼女がそうだったから思うのかもしれないですけど。兄は彼女のためにアルバイトしていた感じでした。相当可愛い子だったけど、振り回されて結局振られました。僕は質素なデートでいいといってくれる女性となら付き合ってみたいのですが……。（26才・公務員）』

草食系になった理由の中にあったように、彼らは“お金や時間の価値”と恋愛とを天秤にかける傾向にあります。でもそれは、彼らが特別ワガママなせいでも、計算高いわけでもなく、恋の本当の喜びを知らないのだと思います。そんな草食系男子には、手作りのお弁当で遠足というような節約デートを提案してみるのも一案でしょう。

好きな女の子と一緒に過ごす楽しさを体験していく中で、「素敵なレストランに連れていって彼女を喜ばせたい！」「もっと彼女を笑顔にしたい！」というような欲求も生まれてくるはずです。
 

【認められたい】

『重たい荷物を持ってあげたら「男らしい」と言われて、その子を好きになったことがあります。今まで言われたことがなかったので。たしかに女性に対しては草食系かもしれませんけど身体は鍛えているし、自分でも筋肉は結構イケてると思っているので認められた気がして嬉しかった。（27才・病院関係）』

『最近彼女が出来たんです。いつも行っている洋服屋さんでアルバイトをしてる子なんですけど、何もいわないでも僕の好みの服を選んでくれて「足が長いから何を着ても似合いますね」っていつも嬉しいことをいってくれる。もちろん客だからいいことをいうのは分かってますけど、褒められて悪い気はしない。僕の趣味を把握してくれてるのも嬉しい。それである日、試着室で「こういう格好の男性となら私も一緒に歩いてみたいと思います」って彼女がいって、ドキッとして黙ってたら鏡越しに目があって、そしたら彼女が「ちょっとだけ歩いてみます？」って冗談っぽく言ったのが交際のはじまりです。（22才・IT系）』

前述したように草食系男子は基本プライドが髙いのです。なんとなくひ弱なイメージがありますが、実際にはジムなどで身体をストイックに鍛えている方も少なくないようです。

主張はしないけれど、自分の長所を知っていて認められるのを待っているような所があります。男性としての自分や、長所が認められたときは、何より誇らしく思い相手にも好感を抱くでしょう。

 

おわりに

近頃では「アスパラベーコン男子」なんて言葉も出てきました。文字通り、見た目は肉食系だけど、中身は繊細で内気な草食系男子のこと！

これ系の男性も増えてきているようで……そう考えると、一概に男性を肉食系、草食系と分けるのは難しいかもしれません。草食系男子だって恋に落ちた途端、肉食系に変身することだってないとはいえません。表現の仕方やこだわりがそれぞれ違うだけで、好きになる気持ち、好きな人に男性として愛されたいと思う気持ちは男性みな共通して持っているものなのです。

あなたが草食系男子に恋してしまったら……、女の子側は母性的な部分を少し多めに出すことが求められます。ただし彼らはプライドも高いのでくれぐれも注意して！　頭ごなしにものをいったり、強い言葉で引っ張ったつもりが傷つけてしまうようなことのないように。包み込みながらリードしてあげることを心がけましょう。

あなたの愛の力で恋の楽しさを分からせてあげれば、やがて彼の肉食系の部分が見えてくるかもしれませんよ〜！