超厳正!! 恋愛小説おすすめ十編、これだけは読んでほしい!!!

皆さんは、恋人とどんな風に出会いましたか？
もちろん、まだ出会ってないという方もいるでしょう。

運命の「出会い」ってまるで意識していない、思いもかけない所に待ち構えていたりするものです。
「たとえばどんな？」とおっしゃる方のために、今回は、少し変わった“珍しい出会い方の恋愛小説”をいくつかご紹介したいと思います！

【「植物図鑑：有川浩（幻冬舎文庫）」】

　岩田剛典さん、高畑充希さん主演で映画化された作品の原作です。映画版のタイトルに「運命の恋、ひろいました」とあるのですが、この「ひろった」というところがこの作品の「出会い」の珍しさです。

＜珍「出会い」からの〜恋＞
主人公さやかは、普通の20歳代のOL。ある寒い冬の夜、飲み会で遅く帰ってきた彼女は自宅マンションの植え込みで行き倒れている青年と遭遇します。彼はさやかに、「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です。」と言います。

さやかは樹（いつき）と名乗る青年を捨て犬のように“ひろって”帰ります。少し酔っていたし、彼女もまた寂しかったから……。翌朝目を覚ますと、青年は冷蔵庫にあった食材で朝食を作っていました。それは普段コンビニ弁当や外食ばかりのさやかにとって涙が出るほど美味しい食事でした。彼女は思わず言うのです。「行くあてがないなら、ここにいない？」……奇妙な同棲生活が始まり、さやかは樹に惹かれていきます。

樹は家事万能で、しかも植物に滅茶苦茶詳しい男性でした。彼も甘い言葉を言ってはくれるのですが真意は分かりません。そしてある日突然、樹はさやかの前から姿を消してしまい……。
切なくあたたかい気持ちになる恋愛小説です。作品の中には植物を使った料理がたくさん登場し、レシピ付きなのも楽しいです。

【そのときは彼によろしく：市川拓司（小学館）】

「いま、会いにゆきます」で有名な市川拓司さんのロマンチックな恋愛小説。
この作品も、山田孝之さん、長澤まさみさん、塚本高史さんの3名で映画化されています。作家の市川拓司さんが得意とする胸がちくちくするような切ないノスタルジックを誘うストーリー。

＜珍「出会い」からの～恋＞
水草の店「トラッシュ」を経営している主人公、智史は、ある夜、突然あらわれた美しい女性をアルバイトに雇い、行くあてがないという彼女を店に住まわせる。
しばらくして智史は、彼女が13歳のときに出会った花梨だと言うことに気づく。二人はもう一人の幼馴染み、佑司のもとへ向かうが…。
ふいに動き出した運命は13年前の三角形のプリズムを再び回し始める。年月を遡る幼馴染みとの再会！

同窓会ならいざ知らず、ありそうでなかなかない出会いです。

【「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」：七月隆文（宝島社文庫）】

ご存知、福士蒼汰さん、小松菜奈さん主演の映画で話題の作品。漫画化もされています。
原作は100万部突破の大ベストセラー小説なんです。
京都の美大に通う（ぼく）と、秘密を抱えた美少女の束の間の触れ合いを、切なく描く恋愛小説。

＜珍「出会い」からの～恋＞
京都の美大に通う南山高寿（たかとし）は、通学の電車で会った女性・福寿愛美（ふくじゅえみ）に一目惚れし、なんと追いかけていきなり真っ直ぐに告白します。
やがて二人はつき合いはじめるのですが、実は愛美には高寿に隠している大きな秘密がありました。
……通学中の電車で一目惚れ。そんなに珍しくはないかもしれないけれど、いきなりの告白はなかなかないですよね。運命を感じたからこそ出来る行動だったのでしょう。

京都の名所を舞台にしたデートなど甘いシーンは楽しく、その後の衝撃的な結末にはえっ？と、驚かせられます。

【「ブルーもしくはブルー：山本文緒（角川文庫）」】

もしあの時彼を選んでいたら……今とは違うもう一つの人生、違う男性と歩む自分を考えてみたこと一度はあるでしょう？
誰もが想像はしても、体験することはできない、そんな「もう一人の自分との入れ替わり生活」を描いた恋愛ファンタジー。

＜珍「出会い」からの～恋＞
蒼子は大手企業に勤めるエリート男性と結婚しましたが、幸せではありませんでした。何不自由ない生活は手に入れたものの、夫には愛人がいたのです。
結婚前、蒼子にはもう一人恋人がいました。朴訥な料理人の彼と結婚していたら今より幸せになっていたんじゃないか……悶々としていたある日、蒼子は旅行席で偶然料理人の彼と再会します。
しかも彼の隣には自分と瓜二つの女性が寄り添っていて……！

自分の分身ドッペンゲンガーとの遭遇。そして入れ替わり生活という超常的な設定ながら、愛に揺れる女心はとてもリアル描かれていて共感できる作品。
あぁ、誰かとこんな風に入れ替わることが出来たらなぁ～とつい妄想にふけってしまいます。

【「レインツリーの国」：有川浩（新潮文庫）】

ネット検索に始まり、ブログの出会い、メールのやりとりと、今日的な出会いからの恋を描いた作品です。
映画では、玉森裕太さん、西内まりやさんが主演しました。

＜珍「出会い」からの～恋＞
主人公は、学生時代に読んだ思い出の本をきっかけに、ネット上で視覚障害をもつ女性と出会い恋に落ちます。
メールでのやりとりは上手くいったものの実際に会ってみるとなかなか思うようにいかずに……。もっと知りたい、お互いを理解したい、という強く願うからこそ傷つけ合ってしまう２人。
まっすぐな愛情と、それを阻止する障害、不器用な２人のストレートな恋愛模様に胸がしめつけられます。

ネットが普及していない時代には、彼らのような出会いはなかったんですね。
初恋を思い出させる初々しい青春ラブストーリーです。

【数奇な出会いが描かれた恋愛小説五編】

不思議な出会いから始まる恋愛小説はここではご紹介できないくらいまだまだたくさんあります。

ここからは、少し径路を変えて、個人的趣味も交えつつ……（笑）様々な形の恋が描かれた五編をご紹介しましょう。

あなたはどんな恋愛小説が好きですか？

【「きらきらひかる」：江國香織（新潮文庫）】

お見合いをして、10日前に結婚した笑子と睦月。だが２人は普通の夫婦ではなかった。
笑子はアルコール依存症で情緒不安定。睦月は同性愛者で大学生の恋人がいるのだ。
睦月の恋人の紺は笑子とも親しみを覚え合い、彼らの生活は独特でも上手くいくかのように思えたが……。

３人の織りなす不思議な関係……、恋愛小説とは言い切れませんが、不思議な出会いから繋がり合っていく男女の心の機微に引き込まれるは多いと思います。
恋愛なのか友情なのか分からない不安定な感情……抱える問題は重いけれど、タッチはどこまでもやさしく、最後はタイトル通り光を感じさせてくれる作品です。

【「恋」：小池真理子（早川書房、新潮社刊）】

連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬。
当時学生だった矢野布美子は、大学助教授の片瀬信太郎と妻の雛子の優雅で奔放な魅力に心奪われ、かれら二人との倒錯した恋にのめりこんでいた。
だが幸福な三角関係も崩壊する時が訪れ、嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が!?

（早川書房公式HPより）

The大人な「恋」を描いた作品。学生と教授という出会いはそう珍しく感じないかもしれませんが、巻き込まれていく世界はかなりディープ。作家の小池真理子さんはどうしてこの物語を思いついたのでしょう。
石原さとみさん主演でドラマ化もされましたが、ぜひ一度は小説で体験して欲しい作品です。直木賞受賞作。

【「恋文」：連城三紀彦（新潮文庫）】

結婚10年目にして夫に家出された歳上でしっかり者の妻の戸惑い。
しかしそれを機会に、彼女には初めて心を許せる女友達が出来たが…。
表題作をはじめ、都会に暮す男女の人生の機微を様々な風景のなかに描く短編集。

（「BOOK」データベースより）

1987年初版の作品なので、他の作品に比べると少し古く感じられるかも知れません。が！読み出すとはまること受け合いです！
表題作の「恋文」は古くはショーケンこと萩原健一さんと倍賞美津子さん、高橋恵子さんで映画化、少し前には渡部篤郎さん、水野美紀さん、和久井映見さんでドラマ化もされています。
夫は結婚前に別れた女性から余命６ヶ月という手紙を貰って家出するのです。
そのとき妻は……！究極の恋愛小説！これぞ愛！……他にも様々な都会の男女の出会いが描かれていて、小説好きの方にオススメです。こちらも直木賞受賞作。

【「ノルウェイの森」：村上春樹（講談社文庫）】

37歳の僕は飛行機のBGMで「ノルウェーの森」を聴き、学生時代のことを回想する。
…高校３年生の頃、僕の友人キズキは恋人の直子を残して自殺してしまう。大学生になって再会した僕と直子はデートを重ねるが、彼女は僕と寝た直後、姿を消す。
暫くして、直子から精神病の療養所に入っているという手紙が届く。僕は京都の療養所まで直子を訪ね、直子のリクエストで、同室のレイコさんは「ノルウェイの森」を弾く。
しばらくして直子は自殺し、僕はあてもない旅をはじめる。

（Wikipediaより抜粋）

青春恋愛小説の金字塔。上下巻のうち上巻はあの有名なセカチュー、片山恭一さんの「世界の中心で、愛をさけぶ」に抜かれるまで、日本における小説単行本の発行部数歴代１位だったとか。
自殺した親友の恋人への思いをずっと引きずっていく男性目線の作品ですが、読む人、読む時期によって、違う感情が湧きあがってくる作品です。
こちらも松山ケンイチさんと菊地凛子さんで映画化されています。

【「センセイの鞄」：川上弘美（文春文庫）】

37歳の独身女性月子と、高校時代の国語の「センセイ」との淡くて切ない恋物語。
月子は最初出会ったときに、高校の恩師だとは気づかず、センセイの方から「大町月子さんですね」と話しかけられる。
センセイは高校時代に月子が「おさげにしていた」ことさえ覚えているのに、月子の方は教壇に立つ姿をかすかに思い出すだけで、名前さえ覚えていない。
だから、それをごまかすために「センセイ」とだけ呼ぶ。２人はたまに一緒に飲むようになった。旅行にも行った。センセイの元妻の墓のある島。
月子はちょっと怒ったが、夜、一緒に俳句を作ったり、同じ布団で寝たりした。月子がセンセイに好きだと告白してからもセンセイはセンセイのままだった。
月子はあきらめて恋を枯死させようとしたが、センセイが風邪をひいたと聞いて訪ねてしまう。センセイは月子をデートに誘い、恋愛を前提におつき合いしてくれと告白する。それから３年が経ち……。

小泉今日子さん、柄本明さんで映像化されたのをご存知の方がいるかもしれませんね。
何十歳も離れたセンセイとの恋なんて、若い読者の方には想像も出来ないかもしれませんが、相手を思い合う２人のドラマを辿っていくうちに、皆さんの知っている恋と何ら変わりないということが分かります。
切ない気持ちがじわじわと染みてくる作品です。

おわりに

さて、ここまで読まれたあなたは、だんだん恋がしたくなってきたのではないでしょうか。

でもこんな数奇な出会いを夢見て待ってるだけじゃ時間がもったいない…… という方には「街コン」がおすすめです！
街コンなら、個人規模では会えない大勢の人に一度に出会えます。
街コンには様々な種類があって、趣味コンなら、スポーツや料理など、趣味を通じての出会いも期待できます。
本が好きな方には読書好きが集まるイベントもありますよ。

いかがでしょうか。
寒い夜にはあたたかい部屋で読書なんていいですね。でも自分がヒロインになりたくなったら……一歩前に踏み出してみなくちゃ！
運命の出会いは、そこまで来ているかもしれませんよ～。