フリークライミングってどういうもの? 名称が多く混同しやすいクライミングの種類について

ボルダリングのブームに伴って、クライミングという言葉が身近になりました。

クライミングと一口に言っても、種類は様々ですが、フリークライミングという言葉を聞いてパッと思い浮かぶものはどのようなものでしょうか。

ボルダリングを思い浮かべる人もいれば、あっという間に15mの壁を駆け登るスピード競技が浮かぶ人、自然の岩に体一つでチャレンジすることと答える人もいるかもしれません。

今挙げたものの中でどれがフリークライミングなのか、あるいはどれもフリークライミングではないのか、混同しやすいクライミングの種類についてご紹介します。

ロッククライミングから始まるクライミングの分類。フリークライミングは○○を使わないクライミング

フリークライミングってどういうもの? 名称が多く混同しやすいクライミングの種類について

ロッククライミングは大きくフリークライミングとエイドクライミングに分かれます。

フリークライミングとは素手で登るクライミングを指し、エイドクライミングは縄ばしごなどの道具を使うクライミングを言います。

フリークライミングのフリーとは「自由に」ではなく「(道具)なしで」という意味で、エイドクライミングのエイドは「登るためのエイド(援助・補助)」を使用するという意味になります。

フリークライミングはさらに、命綱の有無によりロープクライミングとボルダリングに分かれます。

ロープクライミングは、クライマー自身で命綱を支点にかけて登るクライミングをリードクライミング、命綱の支点がゴールにあるものをトップロープクライミングとさらに細分化されます。

命綱も道具ではないのかと思われるかもしれませんが、「登るため」の道具ではありませんので、エイドクライミングではなくフリークライミングに分類されます。

命綱ではなく、登るための道具としてロープを使用する場合は、エイドクライミングに含まれます。

フリークライミングと聞くと、天然岩を登るイメージがあるかもしれませんが、天然岩でのクライミングも人工壁を登るクライミングでも素手で登っていればフリークライミングに区別されます。

フリークライミングの歴史からその発展をたどる

クライミングの歴史の中で、今まで登れなかった岩壁に対し、道具を使用し登っていくことは大きな進歩でした。

エイドクライミングで使われるボルトと呼ばれる岩釘は、自然の岩壁にドリルで穴を開けて打ち込まれます。

このボルトによって、クライミング歴が浅い人でもベテランと同じルートが登れるようになりました。

しかし、このボルトがたくさん打たれたことにより、クライミングの難易度がどの岩場でも同じようなものになり、日本のクライミングの発展という意味では閉塞した環境になってしまったとも言えます。

このような状況から脱却するために、近場の岩場での高難易度のボルダリング課題の開拓が始まり、日本人クライマーの※ヨセミテ遠征や、ヨセミテでのフリークライミングが雑誌で紹介されることによりフリークライミングが広がっていきました。

※ヨセミテは、アメリカのカリフォルニア州にある花崗岩の渓谷です。数多くのフリークライミングの課題が開拓されており、フリークライミングの起源とも言われています。

オリンピック種目のスポーツクライミング3種は、すべてフリークライミング

フリークライミングってどういうもの? 名称が多く混同しやすいクライミングの種類について

オリンピック競技である、ボルダリング、リード、スピードはいずれもフリークライミングの仲間です。

同じフリークライミングではありますが、簡単に言うとボルダリングは課題の完登数、リードは到達した高さ、スピードはゴールまでの速さを競います。

ボルダリングとリードは、課題のオブザベーション時間を公平にするために、他の競技者が登っているところを見られません。

そのため、相手と競い順位が決まる競技ではありますが、自分がいかに課題を攻略していくかというベストパフォーマンスを求めていく要素が大きいです。

一方スピードでは、隣にいる相手より速くゴールをして勝つということが大事になります。

短時間で勝敗が決まり、見ていて分かりやすいためクライミング経験がなくても楽しく観戦できる競技とも言えるでしょう。

フリークライミングで注意しないければいけないこと

フリークライミングでは、安全に行うことが何よりも大事になります。命綱のないボルダリングでは、安全のために厚さのあるマットが敷かれていますが、落ち方次第では大きな怪我につながります。

状況によっては難しいこともありますが、少しでも安全な高さまで降りることやきちんと両足で着地するといった基本が重要です。

命綱を使うロープクライミングでは、高さが数十メートルになることもあり、落下による死亡事故も発生しています。

ロープクライミングを行う際は、ビレイヤーという安全確保をする人と組んで登っていきますが、道具がきちんと装備されているかの確認は、クライマーとビレイヤー二人できちんと確認しましょう。

慣れている人からすれば当たり前のことですが、当たり前のことほど慣れによって流されやすくなりがちなものでもあります。

まとめ リードクライミングも体験してより深くフリークライミングを知ろう

リードクライミングを体験し、クライマーとビレイヤーを経験することで、より深くフリークライミングの世界を味わうことができ、クライマーとしてのレベルアップも期待できます。

ボルダリングに比べ体験できる施設の数は少ないですが、是非一度チャレンジしてはいかがでしょうか。

東京では、T-WALL江戸川橋店ROCKLANDSなどで体験できます。

大阪では、グラビティリサーチなんば店PUMP大阪店などで体験できます。

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